この記事でわかること
- レンジフードの外し方や掃除の仕方がわかる!
- レンジフードを掃除する際の注意点がわかる!
- 汚れが落ちない場合の対策方法がわかる!
レンジフードを外す前の準備
一般的にレンジフードは天井に近い、高い位置に設置されています。
そのためレンジフードを外すには、踏み台や脚立を使用しましょう。
レンジフードが重い場合もあるため、まずは、しっかり力を入れられるように足場を安定させる必要があります。
また、古くなったレンジフードは多くの油煙を吸い込んでいるため、非常に汚れており、外す際にその汚れが飛び散ってしまいます。
コンロや床など汚したくない部分には、新聞紙やブルーシートなどでしっかり覆って養生してから作業することをおすすめします。
レンジフードの外し方
レンジフードにはブーツ型と呼ばれる深型のものとスリム型(アイランド型)と呼ばれる整流板付きのものがあり、それぞれ外すための手順が異なります。
ここではそれぞれの外し方について詳しく説明していきますので、自宅にあるのがどちらのタイプか確認した上で参考にしてみてください。
ブーツ型レンジフード

通常ブーツ型のレンジフードには、換気扇フィルターの奥にカタツムリの殻のような形をしたドラムが設置されています。
ドラムの中にはシロッコファンと呼ばれる羽がついており、これが回転することで排気をしています。
そんなブーツ型レンジフードの大まかな分解手順は以下の通りです。
- 電源プラグを抜くまたはブレーカーを落とす
- 換気扇フィルターを外す
- シロッコファンを外す
- 幕板を外す
この手順通りに全て分解できたら最後に壁面に固定しているビスを外すことでレンジフードを外すことができます。
ここではそれぞれの手順について詳しく説明していきます。
電源プラグの外し方
レンジフードを外す際に電源を落とさずに作業することはとても危険です。
ファンに触っている際に、誤ってスイッチにぶつかってしまい、稼働してしまうとけがをする恐れがあります。
必ず電源プラグを外してから作業しましょう。
電源プラグはレンジフードの内側上部についている事が多いです。
電源プラグを抜く際には、基盤に影響を与えないために、運転スイッチや手元灯がオフになっていることを確認してから抜きましょう。
フィルターの外し方

換気扇フィルターの外し方はとてもシンプルで簡単です。
フィルターについている取っ手をつかみ、上方にずらすことでフィルターを取り外すことができます。
レンジフードの中で一番汚れがたまり、特に手入れが必要な箇所になりますので、必ず外して掃除するようにしましょう。
シロッコファンの外し方
- シロッコファン(ワンタッチ式)
ワンタッチ式のシロッコファンの外し方は比較的簡単です。
まずは、フィルターを外してシロッコファンが見える状態にします。
シロッコファンの中心にあるファンボスのボタンを押しながらゆっくりシロッコファンを引き抜きましょう。
この手順でシロッコファンを取り外せます。
また、取扱説明書にもシロッコファンを取り外すための手順が載っておりますので、あわせて確認しておきましょう。
- シロッコファン(ねじ止め式)
ねじ止め式のシロッコファンは基本的には下記の手順で外すことができます。
- ベルマウスのナットを外す
- ファンが落ちないように押さえながら固定ねじを取り外す
- シロッコファンを支えながらゆっくり引き抜く
長年同じレンジフードを使用していると油汚れがひどくなり、ファンが抜けないことがあります。
そのような場合にはファンの固定ねじやファンボスをドライヤーなどで十分に温めることで固着した油が柔らかくなり抜きやすくなります。
部品が熱くなるため注意も必要ですが、ぜひ試してみてください。
幕板(前板)の外し方
レンジフードには幕板がついている場合があります。
幕板とは通常見えてしまうはずのダクトやファンを表に見えないように隠して見栄えをよくするための部品です。
ブーツ型レンジフードの幕板は、通常フードの内側から固定されているため、外すためにはカバーの内側から固定金具を外す必要があります。
幕板は、掃除をする際には特に外す必要はありませんが、どうしても外さなければならない場合にはカバーの内側にあるビスかボルトを外して、取り外すようにしましょう。
スリム型レンジフード

スリム型のレンジフードとは、換気扇の下部を整流板という板で全て覆っている商品のことを指します。
整流板を設けることで吸引力を上げる事ができます。
また、汚れる部分が限られていることから掃除しやすいレンジフードです。
スリム型レンジフードの外し方は下記の手順です。
- 電源プラグを抜く
- 整流板を外す
- フィルターを外す
- シロッコファンを外す
- 幕板を外す
それぞれ詳しく説明していきます。
電源プラグの外し方
スリム型のレンジフードの場合、電源を切るためには幕板を外す必要があり手間がかかります。
そのため、ブレーカーを落とすか、スイッチでファンが回らないようにロックをかけて、安全に作業を進めてください。
電源プラグを外すよりも手軽なため、掃除をする場合には一般的な方法といえるでしょう。
整流板の外し方
整流板は主にマグネット固定式かレバー固定式のどちらかで固定されています。
ここではそれぞれの外し方について紹介します。
- マグネット固定式の場合
- 整流板の手前を持って支える
- マグネットキャッチを外して、ゆっくり整流板を下げる
- 整流板の位置をフックと合わせ、持ち上げる
- レバー固定式の場合
- 整流板の手前を持って支える
- 左右の固定金具のレバーを下げて、ゆっくり整流板を下げる
- 整流板の位置をフックと合わせ、持ち上げる
製品によっては前方がネジで留められているものもあり、外し方も異なるため、あらかじめ取扱説明書を見て確認しましょう。
また、整流板をフックから外さず、ぶら下げた状態で掃除を行うと落下して調理器具を破損させたり、けがをしたりする恐れがあるため避けましょう。
フィルターの外し方
整流板付きレンジフードのフィルターの外し方は、ブーツ型同様スライドさせて外すか、フィルターに留め具がついている場合には留め具を外すことでフィルターを外すことができます。
基本的には上記の2パターンになりますので、整流板を外してフィルターを確認し、どちらのタイプか確認するようにしましょう。
また、整流板付きレンジフードにはノンフィルタータイプと呼ばれる、フィルターの代わりになる部品を組み込んでいる商品があります。
このような場合には必ず説明書を確認し、記載されている手順の通り外して掃除するようにしましょう。
シロッコファンの外し方
- シロッコファン(ワンタッチ式)
ブーツ型同様スリム型の場合でもワンタッチ式のシロッコファンの外し方は簡単です。
まずは、整流板やフィルターを外してシロッコファンが見える状態にします。
その後はブーツ型同様にシロッコファンの中心にあるファンボスのボタンを押しながらゆっくりシロッコファンを引き抜きましょう。
基本的にはブーツ型と手順は変わりませんが、外さなければならない部品が多くなっています。
また、製品によっては外し方が異なる場合もあるため、まずは取扱説明書を確認しましょう。
- シロッコファン(ねじ止め式)
スリム型レンジフードのねじ止め式シロッコファンを外す手順は下記の通りです。
- 整流板を外す
- ベルマウスのナットを外す
- ファンが落ちないように押さえながら固定ねじを取り外す
- シロッコファンを支えながらゆっくり引き抜く
基本的にはブーツ型と一緒ですが、最初に整流板を外す必要があります。
また、ブーツ型でも説明した通り、スリム型の場合でも油汚れがひどいとファンが抜けないことがあります。
そのような場合には、前述でも紹介した通り、ファンの固定ねじやファンボスをドライヤーなどで十分に温めることで抜きやすくなります。
幕板(前板)の外し方
設置されている理由はブーツ型同様で、ファンや、ダクトを隠すために設置されています。
スリム型の幕板はブーツ型よりも大きく、前パネルのような形になっていて、見た目をキッチンのつり戸棚とそろえている場合も多く、キッチンに統一感をもたらしてくれます。
スリム型の幕板はレンジフードの天端にビスで固定されている場合が多いため、踏み台を使って天端のビスを外すことで、幕板を外すことができます。
ブーツ型同様通常の掃除では外す必要はありません。
レンジフードが外れないときの対処法
レンジフードにたまった油汚れは、放っておくと接着剤のように固まってしまいます。そうなってしまうと、レンジフードがなかなか取り外せなくなってしまう場合があります。
レンジフードが外れないときは、次のような対処法で解決する場合があるため、試してみてください。
ドライヤーで温める

固まっている油汚れをドライヤーで温めると、溶けて柔らかくなり、レンジフードを取り外せる場合があります。
熱風を当てる部分は、主にファンやスピンナーの中心部、ネジ部分です。ファンはドライヤーの熱で熱くなるため、ゴム手袋を着用して作業するようにしてください。
熱風を当てる時間は3分が目安です。3分温めても油が柔らかくならない場合は、追加でもう3分温めましょう。
潤滑スプレーを吹きかける

サビが原因でファンの取り外しができない場合は、潤滑油を吹きかけましょう。ファンの中心にあるスピンナー部分に少量吹きかけたあと、30分〜1時間程度そのままの状態でおいておきます。潤滑油がなじんだところで取り外してみましょう。
ただし、潤滑油はワンタッチ式のファンには使用できません。また、大量に吹きかけてしまうと、モーターに悪影響を与える恐れがあるため、少量にとどめるのがポイントです。
取り外したファンを戻したときに緩んでしまわないよう、吹きかけた潤滑油は拭き取るようにしてください。
レンジフードの清掃方法
レンジフードは、フィルターの目詰まりや故障などのトラブルを防ぐためにも、定期的に部品ごとに清掃が必要です。ここでは、レンジフードの本体、フィルター、整流板、ファンの掃除方法について解説します。
本体部分の清掃方法

レンジフードの油汚れは、中性洗剤、または弱アルカリ性の重曹で落とすことができます。手が荒れる可能性があるため、掃除をする際はゴム手袋を着用しましょう。準備するものは以下の通りです。
- 掃除機
- 中性洗剤、または重曹
- 40℃くらいのお湯
- 布
- キッチンペーパー
- ゴム手袋
準備ができたら、以下の手順で掃除をします。
- 掃除機でレンジフードのホコリを取り除く
- 中性洗剤、あるいは重曹をお湯に溶かしたものを布に浸し、レンジフードを拭く
上記の手順でも落ちない頑固な汚れの場合は、以下の方法を試してみてください。
- 重曹と水を3:1で混ぜ、ペースト状にしたものを汚れに塗る
- ペーストの上からキッチンペーパーで押さえて、30分~1時間程度放置する
- ペーストを拭き取り、水拭きとから拭きをする
フィルター・整流板の清掃方法
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フィルターや整流板の汚れは、重曹水につけ置きすることで、油汚れが浮いてきて掃除しやすくなります。準備するものは以下のとおりです。
- 重曹
- 40℃くらいのお湯
- 洗いおけ、大きめのビニール袋
- ブラシやスポンジ
- ゴム手袋
準備ができたら、以下の手順で掃除を進めましょう。
- 洗いおけまたはビニール袋を用意し、お湯1Lに大さじ1~3の重曹を溶かす
- フィルターと整流板を入れ、1時間程度つけ置きする
- お湯が茶色に濁ってきたら、フィルターと整流板を水で洗い流す
- 落ち切らなかった汚れは、ブラシやスポンジでこすり洗いをして落とす
- 水洗いをし、しっかり乾燥させる
ファン部分の清掃方法
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ファンの油汚れを落とす掃除も、重曹水によるつけ置きが効果的です。頑固な油汚れは、たわしやブラシを使って、しっかり落としましょう。用意するものは以下の通りです。
- 重曹
- 40℃くらいのお湯
- 洗いおけ、大きめのビニール袋
- 硬すぎないたわし、ブラシ
- ゴム手袋
ファンの掃除は以下の手順で行いましょう。
- 洗いおけ、またはビニール袋を用意し、お湯1Lに大さじ1~3の重曹を溶かす
- ファンを1時間つけ置きする
- お湯が茶色に濁ってきたら、ファンを水で洗い流す
- 落ち切らなかった汚れは、たわしやブラシでこすり洗いをする
- 水洗いをして、しっかり乾燥させる
レンジフードの清掃頻度

レンジフードは、調理中の油煙やニオイを排出する重要な役割を担う設備です。そのため、定期的に清掃することが大切です。
一般的には、1ヶ月に1回、少なくとも2ヶ月に1回の清掃が推奨されています。しかし、揚げ物など油を多く使う料理を頻繁に行わないのであれば、数ヶ月~半年に1回程度でも問題ありません。
ただし、フィルターの汚れが見える場合は、換気効率が低下し、モーターに負荷がかかるため、掃除を行いましょう。また、フィルターの目詰まりは火災の原因となる可能性もあるため、必要に応じて掃除をしましょう。
レンジフードを清掃する際の注意点
レンジフードを掃除する際の注意点として、以下の3点を押さえておきましょう。
- 汚れが移らないように注意する
- 洗剤を使用できない素材に注意する
汚れが移らないように注意する
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レンジフードを清掃する際、新聞紙を敷くなどして、コンロ周りや床を養生しましょう。また、外したパーツをシンクで洗ったり、つけ置きしたりする際は、大きめのゴミ袋を広げて、変色や傷の対策をしてください。
洗剤を使用できない素材に注意する

油汚れに効果的なアルカリ性洗剤ですが、レンジフードがアルミ素材の場合、変質して塗装が剥がれたり、サビが発生したりする要因になることがあります。アルミ素材に使用できるのは、中性洗剤のみです。市販の洗剤にはさまざまなものがあるため、洗剤選びに注意してください。
レンジフードの清掃の手間を軽減するためには?
レンジフード掃除の手間を軽減するうえでおすすめなのが、弱アルカリ性の重曹を使ったお手入れです。
水に溶かした重曹水や重曹ペーストで、拭き掃除やつけ置き掃除をしましょう。
つけ置き掃除では、40℃くらいのお湯に中性洗剤や重曹などを溶かし、汚れがゆるむまでつけ置きします。こびりついた油を先に溶かすことで、汚れが落ちやすくなります。
レンジフードを掃除しても汚れが落ち切らない場合
これまでに紹介した方法でもレンジフードの汚れが落ちない場合、プロのクリーニングや、部品の交換、レンジフード自体の交換などを検討しましょう。
また、モーター部分の汚れは動作不良や火災のリスクにつながるため、定期的な点検や清掃が必要です。無理に自分で清掃しようとするよりも、部品の交換やプロに掃除を依頼することで、安全に長期間レンジフードを維持できます。
ハウスクリーニングサービスを利用する

ハウスクリーニングサービスを利用することで、普段の掃除では手が回らないレンジフード内部の汚れまでしっかり除去することが可能です。
プロのスタッフは専用の洗剤や道具を使い、効率的かつ安全に清掃を行い、長年放置した頑固な油汚れもきれいに落とします。また、清掃作業が苦手な方や時間が取れない方にとってもメリットが大きいでしょう。
おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

レンジフードの交換目安は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
レンジフードの交換費用は15万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
