この記事でわかること
- レンジフードの種類や機能がわかる!
- レンジフードと換気扇の違いがわかる!
- レンジフード選びのポイントがわかる!
レンジフードとは?
レンジフードとは、コンロの上部に設置された換気設備です。調理で発生した煙やニオイを室外に排出する役割を持ちます。また、レンジフードは換気扇と混同されがちですが、ファンの種類や排気の方法などが異なります。
以下では、レンジフードの仕組みや役割、換気扇との違いについて、それぞれ解説します。
レンジフードの機能 レンジフードの仕組みと役割

レンジフードは、ファンの周りをフードで覆うことで、調理で発生した煙やニオイを、効率的に排出できるよう設計されています。例えば入り口部分は、より広い範囲の煙やニオイを集められるよう、広めに作られています。
油を含んだ煙を排出することで、壁や周辺設備の汚れを防ぎ、キッチンを清潔に保つことも、レンジフードの役割のひとつです。吸い込んだ油はレンジフード内のフィルターでキャッチするため、ダクト内に侵入することはありません。
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また、レンジフードは、室内の空気を入れ替える役割も持ちます。特にガスコンロを使用している場合は、火が正常に燃焼するために必要な新鮮な空気を、換気を行うことで供給しなければなりません。
また、建築基準法は、調理設備に対して、レンジフードや換気扇などの換気設備を1つ以上設置しなければならないと定められています。
レンジフードと換気扇の違い
主流なファンの種類 | 排気方法 | 特長 | |
---|---|---|---|
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| シロッコファン | ダクトを通じて排気 |
|
![]()
| プロペラファン | 壁から直接排気 |
|
レンジフードと換気扇の違いは、ファンの形状や排気経路です。
レンジフードでは主にシロッコファンが採用されています。一方、換気扇は主に、壁に設置されたプロペラファンで排気を行います。
レンジフードは換気扇よりも広いスペースが必要で、費用も高額な傾向にありますが、換気の効率がよく、音も静かな点がメリットです。
特に近年の建物は気密性が高く、より高性能な換気設備が求められるため、換気扇ではなくレンジフードを設置するケースが増えてきています。
レンジフードの種類
ここでは、レンジフードの種類について、以下の4つのパターンから紹介していきます。
- ファン別
- 形状別
- サイズ別
- 取り付け方別
どの種類のレンジフードを設置するか決めていきましょう。
【ファン別】レンジフードの種類
| シロッコファン | ターボファン | プロペラファン |
---|---|---|---|
見た目 | ![]() | ![]() | ![]() |
換気効率 | 〇 | ◎ | ◎ |
換気の音 | ◎ | ◎ | △ |
設置費用 | 約2万円~ | 約3万円~ | 約4,000円~ |
レンジフードのファンはシロッコファン、ターボファン、プロペラファンの3種類です。
シロッコファンは丸い筒状になっており、羽の隙間から空気が通り抜けレンジフードへと流れます。空気を送り出す力に優れており、現在最も主流のファンです。
ターボファンはシロッコファンと形が似ていますが、羽が後ろむきになっており、枚数が少ないです。シロッコファンよりも風量が強く、換気効率も高いです。しかし、換気時の音がシロッコファンよりもやや大きく、設置費用も高額になります。
プロペラファンは、扇風機の羽を壁に直接設置したような形状です。羽の枚数は他2種類よりも少ないですが、サイズが大きいため、力強い換気ができます。設置費用も抑えられますが、むき出しの羽が高速で回転するため、換気中の音は3機種のなかで最も大きいです。
【形状別】レンジフードの種類
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
![]() ブーツ型(深型) |
|
|
![]() スリム型(薄型) |
|
|
![]() フラット型(浅型) |
|
|
レンジフードの種類にはブーツ型とスリム型、フラット型の3種類があります。
ブーツ型は、これまで最も一般的だったレンジフードの形状です。簡単に取り付けができ、費用も高くありません。しかし、スリム型と比べると機能が少ないため、近年はブーツ型からスリム型に交換するケースが増えてきています。
スリム型は逆T字型をしており、スタイリッシュな見た目が特長です。レンジフード内につぎ目や溝がないため、掃除や管理がしやすい点も魅力です。なかにはフィルターがない機種もあります。ただし、設置費用が他の形状に比べ高い点や、天井が低いキッチンには設置できない点がデメリットです。
フラット型はレンジフードを薄くしており、天井が低いキッチンでも設置できる形状です。
機能的にはブーツ型と大差ありません。現在フラット型を設置している方で、ブーツ型やスリム型へ交換するためには基礎工事が必要です。基礎工事なしで交換したい場合は、フラット型しか設置できません。
注) 東京ガスではフラット型の交換や、フラット型への交換はお請けしておりません。
【サイズ別】レンジフードの種類
レンジフードは以下の3種類のサイズに分かれています。
- 横幅60cm
- 横幅75cm
- 横幅90cm
一般的にレンジフードの価格は、横幅が狭いほど安く、広いほど高くなります。なお、横幅の広さは機能に影響しません。
レンジフードを買い換える際は、現状の横幅と同じサイズを選ぶのが一般的です。レンジフードの両サイドには戸棚が設置されているケースが多く、横幅を変更すると戸棚の取り壊しや戸棚との隙間が生まれるからです。
また、消防法により、使用しているコンロよりも幅が狭いレンジフードの設置は認められていません。そのため、コンロの横幅が75cmの場合、レンジフードは75cm以上のものを設置する必要があります。

また、コンロからの距離も重要な要素です。消防法により、コンロとレンジフードは80cm以上離して設置する必要があるため、天井が低いキッチンでは、先述のフラット型しか取り付けられない可能性があります。
【取り付け方別】レンジフードの種類
壁面取り付けタイプ | ![]() |
天井取り付けタイプ | ![]() |
横壁取り付けタイプ | ![]() |
レンジフードは、取り付け方により以下の3種類に分かれます。
- 壁面取り付けタイプ
- 天井取り付けタイプ
- 横壁取り付けタイプ
壁面取り付けタイプはキッチンの正面に壁があるケースで使われます。壁から直接レンジフードにダクトを通せるため、作業工程が少なく、設置費用を抑えられます。
天井取り付けタイプが適しているのは、周りに壁がないアイランドキッチンです。レンジフードが周囲4方向から見えるため、おしゃれなレンジフードを設置すればインテリアとしても活用できます。ただし、天井から外壁までダクトを通す必要があるため、他の取り付け方法に比べ作業工程が増えます。
横壁取り付けタイプが使われるのは、ペニンシュラタイプのキッチンです。壁面取り付けタイプと同じく、横壁からレンジフード内にダクトを通せるので、作業は難しくありません。
レンジフードの種類によっては設置できないケースもあるため、設置予定のキッチンがどの取り付け方法に該当するのか理解しておきましょう。
レンジフード選びのポイント
レンジフードを選ぶ際には、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
- 現在設置している形状やサイズを選ぶ
- フィルターの有無で選ぶ
- 手入れのしやすさで選ぶ
- 便利な機能やコンロとの連動機能で選ぶ
順番に解説します。
現在設置している形状やサイズを選ぶ
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レンジフードを選ぶ際は、現在設置している形状やサイズと同じものを選びましょう。
特に、横幅のサイズは変更するべきではありません。レンジフードは両サイドに戸棚を設置しているため、サイズを変更すると工事費用が発生するためです。
費用を抑えるためにも、サイズの変更は行わず、同じサイズの商品を選びましょう。
注) 東京ガスでは、レンジフードのサイズ変更はお請けできません。
フィルターの有無で選ぶ
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レンジフードを選ぶ際は、フィルターの有無にも注目してみましょう。
フィルターは油や汚れからファンやダクトを守ってくれますが、目詰まりをすると換気能力が落ちるため、定期的な掃除が必要です。
掃除が面倒と感じる方は、スリム型のノンフィルタータイプがおすすめです。ノンフィルタータイプは、ファンに油や汚れがあたり、専用の捕集トレーに集まります。掃除が必要な部品が1つ減るため、時間の節約になります。
手入れのしやすさで選ぶ

レンジフードは定期的に掃除が必要なため、手入れのしやすさも重要です。手入れをしやすいレンジフードの特長は、以下のとおりです。
- ノンフィルタータイプ
- 汚れにくいコーティングがされている
- 溝やつなぎ目が少ない
- ファンが取り外しやすい
これらに該当するレンジフードなら、掃除がしやすく汚れも付きにくいため、時短につながります。
また、レンジフードの位置が高すぎたり、天板と平行していると手入れしにくくなるため、設置位置や形状にも気を付けましょう。
便利な機能やコンロとの連動機能で選ぶ

レンジフードの機種やメーカーによっては、以下のような便利な機能を有するものがあります。
- 自動洗浄
- タイマー機能
- 常時換気
- LED照明
- 省エネ機能
- DCモーター採用
- リモコン機能
- コンロ連動機能
例えば、レンジフードが高い場所にあり掃除が大変な場合は、自動洗浄機能があるものを選ぶと掃除の頻度を少なくできるため、おすすめです。
また、コンロ連動機能を備えたレンジフードは、ガスコンロのスイッチが入ったタイミングでレンジフードが作動し始めます。この機能があれば、スイッチの入れ忘れにより、ニオイや油煙が充満してしまうトラブルを予防できます。
コンロ連動機能を活用したい場合は、連動機能に対応したコンロとレンジフードを選びましょう。片方だけ対応していても連動しません。詳しくはお問い合わせください。
レンジフードの掃除方法

レンジフードは定期的な掃除が必要です。掃除を適切に行わないと、以下のようなトラブルを引き起こす可能性があります。
- 油汚れが蓄積し、悪臭や故障が発生する
- 油汚れがカビのエサになり、カビが繁殖しやすくなる
- フィルターが詰まり、換気効率が低下して電気料金がかかる
- 換気扇がうまく動かず換気不良を起こす
レンジフードの掃除は自分で行うこともできますが、プロに依頼することも選択肢のひとつです。
東京ガスでは、プロによるレンジフードのハウスクリーニングを提供しています。「お手入れが大変」「最近レンジフードの吸い込みが弱い」と感じる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「まずは自分で掃除にチャレンジしてみたい」という方は、以下に紹介する方法で実施してみましょう。
レンジフードの各パーツの掃除方法
フィルター |
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|
シロッコファン ベルマウス | ![]() |
|
内側 | ![]() |
|
外側 | ![]() |
|
時間が経過した油汚れは固まり、落ちにくくなります。無理にこすり落とそうと力を入れると、塗装やコーティングが剥がれたり、手を痛めたりします。
そのような汚れは、40~60℃程度のお湯に一定時間浸けると、落ちやすくなり、楽に掃除することが可能です。
レンジフードの掃除頻度

レンジフードは、2~3ヶ月に一度のペースで掃除するのがおすすめです。油料理を頻繁にする方なら2ヶ月に1回、油料理をあまりしない方でも3ヶ月に1回は掃除をしましょう。掃除をすることで壊れにくくなり、長期にわたって安全に使用できるでしょう。
レンジフードは高い場所にあるため、掃除を面倒に感じるかもしれません。しかし、油汚れは時間が経過するほど落ちにくくなる性質があるので、こまめに掃除をしたほうが、結果的に手間を減らすことになります。
レンジフードの耐久年数や交換のタイミングは?
レンジフードの耐久年数や交換のタイミングについて、以下の2つの項目に分けて解説していきます。
- レンジフードの耐久年数は約10年
- レンジフードの交換のタイミング
それぞれ見ていきましょう。
レンジフードの耐久年数は約10年
一般的に、レンジフードの耐久年数は約10年です。
10年が経過すると、経年劣化により、換気能力の低下をはじめとする不具合が発生しやすくなります。火災や一酸化炭素中毒などの事故につながる恐れもあるため、10年を超えたレンジフードは、見た目や使用感に異常がなくても早めの交換を検討しましょう。
また、掃除の頻度が低く、汚れを放置している場合、10年未満であっても使用できなくなる可能性があります。とくに、次の見出しで紹介する現象が発生した場合は交換時期なので、迷わず買い換えましょう。
レンジフードの交換のタイミング

レンジフードを使用中に以下の症状が出た場合は、使用を中止してください。
- ニオイや煙の換気能力が低下している
- 運転中に異音が発生する
- 運転中に振動する
部屋にニオイが充満したときや、煙を吸い込むスピードが遅くなったと感じたときは、換気能力の低下が考えられます。
運転中の異音は「カラカラ」「キーン」「ゴーボー」など原因によってさまざまですが、比較的気付きやすいサインといえるでしょう。
運転中に振動する場合は、部品のねじが緩んでいる可能性があります。目視で確認できるねじを締め直すことで改善するようでしたら問題ありませんが、ねじを締め直しても激しく振動するケースでは、レンジフードの交換が必要です。
このような現象が見られた際は、事故が起きる前にレンジフードを買い替えましょう。
レンジフードの主要メーカー
レンジフードの主要なメーカーは、以下の2社です。
メーカー | 特長 |
---|---|
![]() 富士工業 |
|
![]() パロマ |
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東京ガスおすすめのレンジフード
おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

レンジフードの交換目安は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
レンジフードの交換費用は15万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
