この記事でわかること
- ガスコンロの火が赤い炎になる原因がわかる!
- ガスコンロから赤い炎が出たときの対処法がわかる!
- ガスコンロの赤い炎を防ぐ方法がわかる!
ガスコンロの火の青い炎と赤い炎の違いは?


ガスコンロの火は、ガスと酸素に火種が引火することで着火します。ガスと酸素が正しい割合で混ざって効率よく燃えている場合、炎は青くなります。つまり、炎が青い状態が正常です。
炎が赤い場合、なんらかの原因でガスと酸素との割合が崩れていることが考えられます。点火時に一時的に赤くなっているだけであれば問題ありませんが、常に赤い場合は、異常が発生している可能性が高いでしょう。
不具合を放置したまま使用すると、事故やトラブルを引き起こす可能性があります。赤い炎になっていることに気づいたら、速やかに原因を特定し、対処しましょう。
ガスコンロの火が赤い炎になる主な原因
ガスコンロの火が赤い炎になる原因には、主に以下のようなものが考えられます。
- 不完全燃焼
- バーナーキャップのズレ・汚れ
- バーナーキャップの劣化
- グリルの使用
- 加湿器の影響
- ガスの供給不足
ガスコンロの赤い炎の原因が【不完全燃焼】の場合

不完全燃焼とは、酸素が不足した状態で燃えることをいいます。赤い炎が出る原因の中でも最も危険な状態で、不完全燃焼を放置すると中毒症状を引き起こす危険性があります。
赤い炎が出た場合は、まず不完全燃焼を疑い、早めに対処するようにしてください。
不完全燃焼で炎が赤くなる原因
不完全燃焼は、部屋の換気が行き届いておらず酸素不足になっていることが原因で起こります。換気せずにガスコンロを使用すると、正常に燃焼されず火が赤色になります。
不完全燃焼はコンロの故障や劣化の原因となるだけでなく、人体被害を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。不完全燃焼を長時間放置すると、一酸化炭素が充満します。一酸化炭素は、頭痛・めまい・吐き気などの中毒症状を引き起こし、最悪の場合は人を死に至らしめます。
不完全燃焼で炎が赤くなるときの対処法
赤い炎の原因が不完全燃焼と疑われる場合、新鮮な空気の確保とガスの排出で早急に対処しましょう。
赤い炎が出てしまったら、まずは火を消すことが最優先です。その後、換気扇を強めに回す、窓を全開にするといった方法で空気の入れ替えを十分に行います。しばらく様子を見て再度ガスコンロを点火し、炎が青色になっていれば正常化した証拠です。
ガスコンロの赤い炎の原因が【バーナーキャップの汚れやズレ】の場合

バーナーキャップとは、点火すると火が出る部分のことで、バーナーヘッドと呼ばれることもあります。ギザギザの溝が付いているのが特長です。メーカーによってはバーナーヘッドとも呼ばれます。バーナーキャップは使用していくうちに汚れていき、赤い炎の原因となります。
バーナーキャップの汚れやズレで炎が赤くなる原因
きちんと換気しているのに火が赤くなったのなら、バーナーキャップの汚れやズレが原因なのかもしれません。
バーナーキャップは使用するにしたがって、油で汚れたり目詰まりを起こしたりします。お手入れしないまま使い続けると、ゴミや汚れが内部に詰まり、点火しても酸素が供給されにくい状態になります。その結果、うまく燃焼できずコンロの火が赤くなってしまうのです。バーナーキャップの位置がズレているときも同じです。
そのままにしておくと、いずれ正常に点火しなくなったり、すぐに火が消えたりするようになるでしょう。
バーナーキャップの汚れやズレで炎が赤くなるときの対処法
汚れが原因の場合は、きれいに掃除することで解決します。
バーナーキャップは簡単に取り外せます。火が消えていることを確かめ、念のためガスの元栓も閉めた上で掃除を始めるようにしてください。
適切なお手入れの手順は以下のとおりです。
- 台所用中性洗剤を付けたやわらかい布やブラシ、スポンジなどでバーナーキャップを水洗いする
- 細かい部分やこびりついた汚れには、歯ブラシやつまようじを用いて丁寧に汚れを落とす
- 水洗い後はバーナーキャップの水気をしっかり拭き取る
- 完全に乾いたらコンロに取り付ける
取り付ける際は取扱説明書などを参考に、正しく戻すように気を付けてください。
取り付け方を誤ると赤い炎の原因になります。
バーナーキャップのお手入れは、月に1回程度行うと良いでしょう。
ガスコンロの赤い炎の原因が【バーナーキャップの劣化】の場合

バーナーキャップの劣化が進むと、ガスコンロから赤い炎が出てしまうことがあります。長くガスコンロを使用している場合や、キャップ部分が変形しているように見える場合は注意してください。
バーナーキャップの劣化で炎が赤くなる原因
日々の調理によってバーナーキャップはだんだんと劣化していきます。バーナーキャップが劣化するのは、以下のような原因が挙げられます。
- バーナーキャップが変形している
- 傷や破損によって腐食している
- 汚れがたまりこびりついている
バーナーキャップが劣化すると、点火しても酸素が供給されにくいため、炎が赤くなりやすいです。
赤い炎の原因がバーナーキャップの劣化によるものかどうか判断するために、すべてのバーナーで赤いのか、一つだけ赤いのかをチェックしましょう。よく使う強火側だけが赤い場合は、劣化が進んでいる証拠です。
バーナーキャップの劣化で炎が赤くなるときの対処法
最も簡単な対処法は、バーナーキャップの交換です。
ゴトクや焼き網などと同様に、バーナーキャップも消耗品として扱われます。使用していくうちに劣化するのは仕方がないことなので、傷んでいる場合はメーカーに問い合わせて取り換えてもらいましょう。
バーナーキャップが腐食している場合は、他の部分まで劣化が進んでいるかもしれません。交換だけでなく修理が必要になる可能性があるため、一度点検に来てもらうと安心です。
ガスコンロの赤い炎の原因が【グリルの使用】の場合

グリルとコンロを同時に使用すると、赤い炎になる場合があります。これは異常ではないため、心配する必要はありません。
グリルの使用で炎が赤くなる原因
ガスコンロとグリルを同時に使うと、グリル内の焼き物の塩分やカルシウムがガスと化学反応を起こし、赤い炎に見えることがあります。
この場合の赤い炎はガスコンロの異常ではないため、心配しなくても大丈夫です。赤色になったときに魚焼きグリルで調理していなかったかチェックしてください。
グリルをよく使用する方や同時調理で時短している方は、赤い炎が出ることを覚えておきましょう。
グリルの使用で炎が赤くなるときの対処法
グリルの使用が原因の場合、対処は簡単です。グリルを使用していないときに何色の炎になっているか見てください。
まずはグリルのスイッチをいったん切り、グリル内の温度が下がるまで待ちます。ある程度時間を置いたら、ガスコンロを点火して炎が何色かチェックしてください。この際、グリルの火が消えているか確認しておきましょう。青い炎に戻っていたら、そのままコンロを使用しても問題ありません。
ガスコンロの赤い炎の原因が【加湿器の影響】の場合

加湿器の使用が原因でガスコンロの火が赤くなることもあります。キッチン付近に加湿器を置いている家庭や加湿器を付けたまま調理している方はチェックしてみましょう。
加湿器の影響で炎が赤くなる原因
加湿器を付けたままガスコンロを使用すると、赤い炎が出てしまうことがよくあります。加湿器から出る水分に含まれるカルシウムが燃焼するためです。水道水には、飲料水などと比べてカルシウムが多く含まれています。そのため、加湿器とコンロを同時使用すると炎が赤くなりやすいのです。
しかし、グリルと同様に化学反応による色の変化なので心配する必要はありません。
加湿器の影響で炎が赤くなるときの対処法
加湿器を付けた状態で炎が赤くなった場合は、加湿器をいったん止めて炎の色を確認してください。青い炎に戻るならば、不完全燃焼による赤い炎ではありません。カルシウムの燃焼による化学反応なので、人体への影響を心配しなくても大丈夫です。
ガスコンロの赤い炎の原因が【ガスの供給不足】の場合

ガスの供給不足が原因でも、ガスコンロの炎が赤くなることがあります。簡単にいうと、ガスがうまく届いていない状態です。炎の変化に加えて、以前よりガスの火が弱くなっている場合は、ガスの供給に問題がある可能性が高いでしょう。
ガスの供給不足で炎が赤くなる原因
ガスの供給不足が起こる要因のひとつが、ガスホースが曲がっていて、ガスの流れがせき止められていることです。ガスホースは、長すぎてねじれたり折れ曲がったりしている場合や、経年劣化で曲がってしまうことがあります。
ガスホースに異常がない場合は、ガスコンロの故障またはガス漏れを起こしている可能性も考えられます。
いずれの場合でも、そのまま放置するのではなく、速やかに対処するようにしましょう。
ガスの供給不足で炎が赤くなるときの対処法
テーブルコンロのガスホースが曲がっている場合は、ホームセンターなどで新しいホースを購入して付け替えます。ガスホースは経年劣化を考慮して、7年程度で交換すると安心です。
ガスコンロ自体が故障している場合は、修理か交換が必要です。ガスコンロの耐用年数である10年を超えて使用している場合は、買い替えを検討すると良いでしょう。
ガスのニオイがするなど、ガス漏れが疑われる場合には、すぐに換気をして業者に連絡してください。危険なので、決してコンロに火をつけないようにしましょう。
そのほかの原因
上記5つの原因に当てはまらない場合は、以下のような理由で赤い炎になっている可能性があります。
- 風、エアコン、扇風機
室内の風力が強いと火が偏って赤くなる - 火力の変更
急激に火力を変えると赤くなりやすい - ホコリ
空気中のホコリ・チリが燃焼し炎色反応を起こす - 鍋や五徳の汚れ
汚れが残ったままだと炎が変色しやすい - ガスの種類が適合していない
初期から赤い場合は都市ガス、プロパンといったガス種が合っていない
赤い炎が続く場合は、何らかの異常が潜んでいるはずです。上記を確認しても解決しないようであれば、一度業者に問い合わせてみてください。
ガスコンロの火が赤いとガス代が高くなる!
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赤い炎は青い炎よりも燃焼効率が悪いという特徴があります。
その理由は炎の温度です。赤い炎は約1,400℃ですが、青い炎は約1,700~1,900℃と、500℃程度の温度差があります。その結果、より多くの火力が必要となり、ガス代が高くなってしまうのです。
また、赤い炎は温度が低いため調理に時間がかかるというデメリットもあります。
ガスコンロの火が赤い炎にならないための対策
ガスコンロの火を赤い炎にしないためには、以下のような対策が有効です。
- 十分な換気
- こまめな点検や清掃
- 加湿器はガスコンロから離して使う
十分な換気

ガスコンロで調理をする際は、必ず換気扇を一緒に使うように意識しましょう。
中には自動で換気扇スイッチをオンにしてくれるガスコンロも販売されているので、換気扇のつけ忘れが心配な方はチェックしてみましょう。安全性が高まるのはもちろん、効率よく温度が上がり、ガス代の節約につながるケースもあります。
こまめな点検や清掃

汚れが原因で赤い炎になることを予防するには、バーナーキャップをこまめに点検し、清掃をすることが大切です。汚れたときはもちろん、特に気にならない場合も月に1回程度は掃除するようにしましょう。
お手入れの方法は以下のとおりです。
- バーナーキャップをガスコンロから取り外し、やわらかい布やブラシ、スポンジに台所用中性洗剤をつけ水洗いする
- ひどい汚れや細かい汚れは、歯ブラシやつまようじを用いて落とす
- 水洗い後、バーナーキャップの水気を拭き取る
- 完全に乾かし、ガスコンロにつける
なお、ガスコンロの天板やゴトクは毎日お手入れし、月に1回程度は念入りに掃除するのがおすすめです。
加湿器はガスコンロから離して使う

調理中は加湿器の使用を避けるか、離れた場所に設置するようにしましょう。
特に、超音波の振動で水蒸気を発生させる「超音波式」の加湿器を使用している場合は注意が必要です。空気中に送られる水の粒子が大きいため、カルシウムやアルカリ金属を含む水蒸気がガスコンロの火に触れ、赤い炎が出やすくなります。赤い炎を防ぐには、水の粒子が細かい「スチーム式」の加湿器がおすすめです。
対処法や対策を試してもガスコンロの赤い炎が解消されない場合は

今回紹介した方法を試しても赤い炎のまま変化がない場合、ガスコンロ自体に問題が生じているのかもしれません。そのほか、自分で掃除をしていても汚れが取り切れておらず、目詰まりを起こしているというケースも考えられます。
故障したガスコンロを使い続けると、原因によっては火災や一酸化炭素中毒を引き起こすリスクもあり、大変危険です。プロに修理や交換をしないと解消されないケースもあるため、赤い炎のまま直らない場合はすぐにガス会社やメーカーに点検を依頼しましょう。
ガスコンロの寿命とサイン
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ガス機器の経年劣化の例 | チェック項目 |
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多くのメーカーで、ガスコンロの標準使用期間は10年とされています。使用環境にもよりますが、10年が修理で済ませられるか交換が必要かの目安になるでしょう。
10年たったからといってすぐに使えなくなるわけではありませんが、赤い炎が出るなどの不具合があれば、経年劣化のサインです。重大な事故につながる前に、ガスコンロの交換を検討しましょう。
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コンロの耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
コンロの交換費用は10万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、1回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。

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まとめ
ガスコンロから赤い炎が発生するときの考えられる原因を説明しました。
不完全燃焼で赤い炎が出ている場合は一酸化炭素中毒の原因となり、人体への危険があります。また、赤い炎を放置するとガス代が高くなってしまいます。ガスコンロから赤い炎が出始めたら、できるだけ早く対処することが大切です。今回ご紹介した原因・対処法を参考にし、それでも解決しない場合は、業者に問い合わせてみてください。
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