ガスコンロの火が赤い原因と対処法
ガスコンロから赤い火が出る原因として
- 不完全燃焼
- バーナーキャップのズレ・汚れ
- バーナーキャップの劣化
- グリルの使用
- 加湿器の影響
の5つが考えられます。
ここでは、それぞれの原因と対処法を詳しく解説していきます。
ご家庭の原因がどれに当てはまるかチェックしてみてください。
不完全燃焼
不完全燃焼とは、酸素が不足した状態で燃えることをいいます。
赤い炎が出る原因のなかでも最も危険な状態で、不完全燃焼を放置すると中毒症状を引き起こす危険性があります。
赤い火が出た場合は、まず不完全燃焼を疑い、早めに対処するようにしてください。
原因
不完全燃焼は、部屋の換気が行き届いておらず酸素不足になっていることが原因で起こります。
換気せずにガスコンロを使用すると、正常に燃焼されず火が赤色になります。
不完全燃焼はコンロの故障や劣化の原因となるだけでなく、人体被害を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
不完全燃焼を長時間放置すると、一酸化炭素が充満します。
一酸化炭素は、頭痛・めまい・吐き気などの中毒症状を引き起こし、最悪の場合は人を死に至らしめます。
対処法
赤い火の原因が不完全燃焼と疑われる場合、新鮮な空気の確保とガスの排出で早急に対処しましょう。
赤い火が出てしまったら、まずは火を消すことが最優先です。
その後、換気扇を強めに回す、窓を全開にするといった方法で空気の入れ替えを十分に行います。
しばらく様子を見て再度ガスコンロを点火し、炎が青色になっていれば正常化した証拠です。
今後の対策として、調理する際はガスコンロと換気扇をセットで使うように意識しておきましょう。
不完全燃焼を予防するには、不完全燃焼防止装置が付いたガスコンロを導入してみるという対策もあります。
最近では、自動で換気扇スイッチをオンにしてくれるガスコンロも販売されています。
安全性が高まるだけでなく、ガス代の節約になる場合もあるため、ぜひ検討してみてください。
今後の対策として、調理する際はガスコンロと換気扇をセットで使うように意識しておきましょう。
バーナーキャップの汚れやズレ
バーナーキャップとは、点火すると火が出る部分のことで、バーナーヘッドと呼ばれることもあります。
ギザギザの溝が付いているのが特徴です。
メーカーによってはバーナーヘッドとも呼ばれます。バーナーキャップは使用していくうちに汚れていき、赤い炎の原因となります。
原因
きちんと換気しているのに火が赤くなったのなら、バーナーキャップの汚れやズレが原因なのかもしれません。
バーナーキャップは使用するにしたがって、油で汚れたり目詰まりを起こしたりします。
お手入れしないまま使い続けると、ゴミや汚れが内部に詰まり、点火しても酸素が供給されにくい状態になります。
その結果、うまく燃焼できずコンロの火が赤くなってしまうのです。
バーナーキャップの位置がズレているときも同じです。
そのままにしておくと、いずれ正常に点火しなくなったり、すぐに火が消えたりするようになるでしょう。
対処法
汚れが原因の場合は、きれいに掃除することで解決します。
バーナーキャップは簡単に取り外せます。
火が消えていることを確かめ、念のためガスの元栓も閉めた上で掃除を始めるようにしてください。
適切なお手入れの手順は以下のとおりです。
- 台所用中性洗剤を付けたやわらかい布やブラシ、スポンジなどでバーナーキャップを水洗いする
- 細かい部分やこびりついた汚れには、歯ブラシや爪楊枝を用いて丁寧に汚れを落とす
- 水洗い後はバーナーキャップの水気をしっかり拭き取る
- 完全に乾いたらコンロに取り付ける
取り付ける際は取り扱い説明書などを参考に、正しく戻すように気を付けてください。
取り付け方を誤ると赤い炎の原因になります。
バーナーキャップのお手入れは、月に1回程度行うと良いでしょう。
バーナーキャップの劣化
バーナーキャップの劣化が進むと、ガスコンロから赤い火が出てしまうことがあります。
長くガスコンロを使用している場合や、キャップ部分が変形しているように見える場合は注意してください。
原因
日々の調理によってバーナーキャップはだんだんと劣化していきます。
バーナーキャップが劣化するのは、以下のような原因が挙げられます。
- バーナーキャップが変形している
- 傷や破損によって腐食している
- 汚れが溜まりこびりついている
赤い炎の原因がバーナーキャップの劣化によるものかどうか判断するために、すべてのバーナーで赤いのか、一つだけ赤いのかをチェックしましょう。
よく使う強火側だけが赤い場合は、劣化が進んでいる証拠です。
対処法
最も簡単な対処法は、バーナーキャップの交換です。
五徳や焼き網などと同様に、バーナーキャップも消耗品として扱われます。
使用していくうちに劣化するのは仕方がないことなので、傷んでいる場合はメーカーに問い合わせて取り替えてもらいましょう。
バーナーキャップが腐食している場合は、他の部分まで劣化が進んでいるかもしれません。交換だけでなく修理が必要になる可能性があるため、一度点検に来てもらうと安心です。
グリルの使用
グリルとコンロを同時に使用すると、赤い炎になる場合があります。
これは異常ではないため、心配する必要はありません。
原因
ガスコンロとグリルを同時に使うと、グリル内の焼物の塩分やカルシウムがガスと化学反応を起こし、赤い炎に見えることがあります。
この場合の赤い火はガスコンロの異常ではないため、心配しなくても大丈夫です。
赤色になったときに魚焼きグリルで調理していなかったかチェックしてください。
グリルをよく使用する方や同時調理で時短している方は、赤い火が出ることを覚えておきましょう。
対処法
グリルの使用が原因の場合、対処は簡単です。
グリルを使用していないときに何色の炎になっているか見てください。
まずはグリルのスイッチをいったん切り、グリル内の温度が下がるまで待ちます。
ある程度時間を置いたら、ガスコンロを点火して炎が何色かチェックしてください。
この際、グリルの電源がオフになっていることもきちんと確認しておきましょう。
青い炎に戻っていたら、そのままコンロを使用しても問題ありません。
加湿器の影響
加湿器の使用が原因でガスコンロの火が赤くなることもあります。
キッチン付近に加湿器を置いている家庭や加湿器を付けたまま調理している方はチェックしてみましょう。
原因
加湿器を付けたままガスコンロを使用すると、赤い火が出てしまうことがよくあります。
加湿器から出る水分に含まれるカルシウムが燃焼するためです。
水道水には、飲料水などと比べてカルシウムが多く含まれています。
そのため、加湿器とコンロを同時使用すると炎が赤くなりやすいのです。
しかし、グリルと同様に化学反応による色の変化なので心配する必要はありません。
対処法
加湿器を付けた状態で炎が赤くなった場合は、加湿器をいったん止めて炎の色を確認してください。
青い火に戻るならば、不完全燃焼による赤い炎ではありません。
カルシウムの燃焼による化学反応なので、人体への影響を心配しなくても大丈夫です。
今後の対策としては、調理中に加湿器の使用を避けるか、加湿器をキッチンから遠い場所へ移動させるようにしてください。
そのほかの原因
上記5つの原因に当てはまらない場合は、以下のような理由で赤い炎になっている可能性があります。
- 風、エアコン、扇風機
室内の風力が強いと火が片寄って赤くなる - 火力の変更
急激に火力を変えると赤くなりやすい - ホコリ
空気中のホコリ・チリが燃焼し炎色反応を起こす - 鍋や五徳の汚れ
汚れが残ったままだと炎が変色しやすい - ガスの種類が適合していない
初期から赤い場合は都市ガス、プロパンといったガス種が合っていない
赤い炎が続く場合は、何らかの異常が潜んでいるはずです。
上記を確認しても解決しないようであれば、一度業者に問い合わせてみてください。
ガスコンロの火が赤いとガス代が高くなる!
赤い炎は青い炎よりも燃焼効率が悪いという特徴があります。
その理由は炎の温度です。
赤い炎は約1,400℃ですが、青い炎は約1,700~1,900℃と、500℃程度の温度差があります。
その結果、より多くの火力が必要となり、ガス代が高くなってしまうのです。
また、赤い炎は温度が低いため調理に時間がかかるというデメリットもあります。
まとめ
ガスコンロから赤い炎が発生するときの考えられる原因を説明しました。
不完全燃焼で赤い火が出ている場合は一酸化炭素中毒の原因となり、人体への危険があります。
また、赤い炎を放置するとガス代が高くなってしまいます。
ガスコンロから赤い火が出始めたら、できるだけ早く対処することが大切です。
今回ご紹介した原因・対処法を参考にし、それでも解決しない場合は、業者に問い合わせてみてください。
修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!
コンロの耐用年数注)は約10年です。10年以上経過している場合、故障の頻度も増えていきます。
トラブル発生時は「修理」と「交換」の要望はほぼ同じですが、最終的な解決方法は10年を境に差が出てきます。ご利用年数が10年以下なら修理、10年以上なら交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。