この記事でわかること
- ガスコンロの正しい設置方法や使い方
- ガスコンロ使用時の注意点
- 便利な機能と調理法
ガスコンロの設置方法

ガスコンロには「ガステーブル」と「ビルトインコンロ」の2種類があり、それぞれ設置方法が異なります。
ガステーブルを設置する際は、ガスコンロ本体のほかに、ガスコンロとガス栓をつなぐガスホースを用意する必要があります。コンセントガス栓の場合は、さらにガスソフトコード用ソケットも購入しておきましょう。
必要なものが準備できたら、次に、以下の3点が合致していることを必ず確認してください。
- 自宅のガスの種類
- ガスコンロのガスの種類
- ガスホースのガスの種類
ガスには「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があり、ガスコンロやガスホースは、自宅のガスの種類にあわせて選ぶ必要があります。例えば都市ガスを使用している家で、プロパンガス用のガスコンロやガスホースを使うことはできません。ガスの種類を間違えると、一酸化炭素中毒や火災の原因になり、非常に危険です。
ガスの種類が一致していることを確認できたら、以下の手順でガスコンロを設置します(ホースエンドガス栓の場合)。
- ガスホースを必要な長さに切る
- ホースにバンド(ゴム管止め)を2つ通す
- ガスコンロ側にホースを差し込み、バンドで固定する
- ガス栓側にホースを差し込み、バンドで固定する
- ガス栓のつまみを開ける
ガスホースを差し込むガスコンロやガス栓には赤い線があるので、そこまできっちり押し込んでください。
コンセントガス栓の場合はガスソフトコード用ソケットをガスホースに取り付けて、ガス栓とつなぎます。
設置が完了したらしっかり着火するか、ガス漏れがないかを確認してください。

ビルトインコンロの設置には専門の資格が必要です。そのため、自分で設置することはできません。販売店や業者、ガス会社に依頼しましょう。
ガスコンロの点火方法の違いによる使い方
ガスコンロの点火方法は以下の2種類があります。
- ダイヤル式
- プッシュ式
ダイヤル式のガスコンロの使い方

ダイヤル式のガスコンロは、ダイヤルを回すことで火加減を変更できるタイプです。着火する際には操作ボタンを押します。詳しい手順は次のとおりです。
- 操作ボタンを押して点火する
- 着火を確認してから手を離す
- 火力調整は操作ボタンをメモリの位置に動かして行う
- 火を消すときはボタンを押し込む
ダイヤル式は、ダイヤルのメモリごとに「とろ火」「弱火」「中火」「強火」と火加減が設定されています。
プッシュ式のガスコンロの使い方

プッシュ式のガスコンロは、つまみを左右に動かすことで火加減を変更できるタイプです。ダイヤル式と同じく、操作ボタンを押すことで着火します。
ガスコンロの使い方で注意すること
ガスコンロを使用する際の注意点として、以下の3点を紹介します。
- バーナーや天板に関する注意点
- グリルに関する注意点
- 使用環境や行動に関する注意
バーナーや天板に関する注意点
バーナーや天板に関する注意点は以下のとおりです。
- バーナー部分や周辺をいつもきれいにしておく
- 使用前に鍋底の汚れや異物の付着がないことを確認する
- 不安定な片手鍋などは安定した状態にして使う
- 調理油は適量を入れる
- 土鍋・耐熱ガラス鍋を油調理に使わない
- 複数回使った調理油で揚げ物をしない
- 揚げすぎないように注意する
- 冷凍食材は鍋の底面中央に密着させず、均等に入れる
バーナーに関しては、バーナー周辺の可燃物に火が燃え移ることに注意しなければいけません。そのため、鍋底の汚れを取り除き、バーナー周辺の油汚れは掃除しておく必要があります。
揚げ物をする場合、油は十分な量を入れるよう心がけましょう。油が少なすぎると温度センサーが正しく作動せず、油の温度が上がりすぎて発火の恐れがあります。
冷凍食材を揚げる際は、中央に密着させてしまうと鍋の温度が正しく測定できないので、鍋全体に密着しないように入れます。
また、土鍋や耐熱ガラス鍋は、調理油過熱防止機能が対応していない鍋です。揚げ物調理で使用すると、油の温度が上がりすぎて発火の恐れがあるので使用してはいけません。
グリルに関する注意点

グリルに関する注意点は以下のとおりです。
- 庫内の油や食品くずは取り除いてから使用する
- 数回点火に失敗したら、ガスが抜けきるまで使用しない
- 庫内で調理具を保管しない
- 排気口の上にものを置かない
グリルを使用したあとは、庫内を清掃し油飛びや食品くずがないようにしましょう。汚れたまま使用すると発火の恐れがあります。また、グリル使用時は、適切に点火できたかどうかを目視で確認してください。
点火に失敗した場合は、庫内にガスが充満している可能性があります。消火時の操作をしてガスを止めてから、庫内のガスを逃がしましょう。そのとき、排気口の上にものを置かないでください。
しばらく時間をおき、ガスが抜けてから再度点火してください。
使用環境や行動に関する注意点

使用環境や行動に関する注意点は以下のとおりです。
- ガスコンロと壁の距離を十分に取る(取れない場合は、防熱板を取り付ける)
- 換気扇を回すか窓を開けて換気をする
- ガスコンロ使用中はその場を離れない
- ガスコンロの上や周囲に可燃物を置かない
- ガスコンロの近くでスプレー缶の使用やガス抜きをしない
- 煮こぼれや食材のかすはその都度取り除く
- 壁の下地が木材の場合は炭化に注意
- ガステーブルを落としてしまった際は点検を依頼する
- ガスコンロの奥に手をのばす際は衣服への着火ややけどに注意する
ガスコンロと壁との距離が近いと壁の温度が上がり、炭化したり、火が燃え移ったりする可能性があります。壁との距離は15cm以上離すか、防熱板を取り付けましょう。
ガスコンロの奥にある調味料などを取るために手をのばす際は、服への着火ややけどに注意してください。できるだけ火から離れた場所を定位置に決めると良いです。
火を取り扱っている最中は、その場を離れないようにしましょう。電話や来客の際は火を消してからガスコンロの元を離れてください。また、キッチンでスプレーを使用したり、ガス抜きをしたりすると、引火する恐れがあるため、やめましょう。
ガステーブルを買い換える際には、ガス用ゴム管やガスコードも一緒に取り換えましょう。長期間同じものを使い続けないようにしてください。経年劣化によるガス漏れが発生する可能性があります。
ガステーブルを設置する際に、万が一落としてしまった場合は、そのまま使用せず、一度点検してもらい安全性を確認してください。
ガスコンロの便利な機能
続いて、ガスコンロの便利な機能を紹介します。これらの機能を活用することで、調理が楽になったり、掃除する手間を減らしたりすることが可能です。
温度調整や自動調理

最新のガスコンロには、ボタン操作で温度調整や自動調理を行ってくれる機能がついています。ボタンを押すだけでごはんが炊ける自動炊飯機能が代表例です。
自動調理機能では以下の調理が可能です。
- 湯沸かし
- 炒め物
- 焼き物
- 揚げ物
- 煮込み料理
煮込み料理などでは、タイマーをセットすれば自動消火してくれる機能が活躍します。天ぷらなど温度管理が重要な料理では、設定した温度に火力を自動調節する機能が便利です。
吹きこぼれや焦げ付きも防止

ガスコンロの中には、吹きこぼれや焦げ付きを防止する便利機能を搭載しているものもあります。
例えば、麺類をゆでる際は、火加減を自動でコントロールして吹きこぼれを防止し、設定したゆで時間になると自動で消火します。
また、ひと煮立ちさせたあとに火力を自動的に弱めてくれる機能や、鍋の水分がなくなったことを検知する機能により、焦げ付きを防止することも可能です。
これらの機能を活用すれば、調理後の清掃も楽になるでしょう。
便利なグリル調理

ガスコンロのグリルは、魚だけでなく、肉や野菜なども調理可能です。庫内の温度が高いので、食材のうま味を逃がすことなくおいしく仕上げられます。
グリルでトーストを作る
グリルを活用することで、トーストを作ることができます。表面を直火の「放射熱」で焼くことでカリッと香ばしく、高温の「対流熱」で短時間で焼くことで中まで火が通り、ふっくら食感になります。
魚のにおいをつけないためには
魚を焼く際、水蒸気が外側に向けて発生する加熱中は、においを吸収することはありません。しかし、食材が冷えていく過程でにおいを吸収してしまいます。調理が終わったあと、すぐに取り出せば魚のにおいが他の料理に移りにくくなります。
ガスコンロのグリルのタイプ
多くのガスコンロについているグリルですが、技術の進歩に伴い、構造やサイズ、搭載されている機能が大きく進化しています。
主流は水なしグリル

最近は、使う前の準備や後片付けにも便利な水なしタイプのグリルが主流です。グリルの構造上、受け皿が熱くなりづらく、油が落ちても燃えにくくなっているため、水を入れる必要がなくなりました。水なしタイプのグリルは、使う前に水を張り、使用後は水を捨てて掃除するという手間がなくなっています。
両面焼きグリルが増加
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両面焼きグリル
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片面焼きグリル
最近では、両面焼き水なしタイプの機種が増えてきています。両面焼きのメリットはいろいろありますが、焼いている途中で食材を裏返す必要がなく、片面焼きよりも短時間で焼き上げられることです。一部グリルには、専用のプレートやダッチオーブンなどが付属している機種もあり、グリルで炊飯やパン、クッキーなどを作ることができます。
ワイドサイズへ大型化

最近はグリルのサイズが大型化し、横幅25cm程度のワイドグリルが多くなっています。従来のものよりも幅が3~4cm広くなっているので、Mサイズのピザを焼くことができ、大きな干物なども切らずに焼くことが可能です。
新しいガスコンロのグリル|機能紹介
調理の幅が広がる機能から、安全のための機能まで、ガスコンロのグリルは進化し続けています。特に専用の調理器具を使うと、プロ並みのおいしさを家庭で手軽に再現できます。ここからは、リンナイ、ノーリツ、パロマの各社最上位機種のグリル機能の特長を紹介します。
リンナイ『デリシア』

グリルでは唯一、オーブン感覚で温度設定をすることができ(一部機種はアプリで対応)、上火だけ点火、下火だけ点火を選ぶことも可能です。専用の調理器具「ザ・ココット」を使うと、無水料理、オーブン料理、蒸し料理などができ、料理の幅が広がります。

また、専用アプリと連動し、オート機能を使用可能。アプリで選んだメニューをガスコンロへ送信し、レシピ通りに食材を用意して点火すれば、自動で料理が完成します。
リンナイ『デリシア』の詳細について
ノーリツ『プログレ』

センサーつきバーナーがグリルに搭載されているガスコンロです。センサーが容器の温度を細かく検知して自動調理します。

専用の調理器具「キャセロール」は、鮮やかなオレンジ色が特長です。そのままテーブルに運んで、食器として使えます。

通常、パン作りは、生地をこねて一次発酵してガスを抜き、成形後に二次発酵して焼き上げるという工程が必要です。プログレのグリルで「発酵焼き上げ」モードでは、こねて成形した生地をキャセロールに入れ、時間を設定して点火ボタンを押せば、発酵から焼き上げまで50分程度でパンが完成します。
ノーリツ 『プログレ』の詳細について
パロマ『クレア』

クレアの特長の一つは、「ヒートカットグリル扉」です。グリル扉のガラスを3層にすることで扉が熱くなりにくく、やけどを防ぐことができます。
また、クレアには専用の調理器具「ラ・クックグラン」が同梱されています。

ガスコンロのグリルをさらに活用しよう

新しいタイプのグリルに同梱されている専用の調理器具は、それぞれのメーカーが紹介しているレシピ以外にも活用できます。例えば、市販の惣菜や余った唐揚げや天ぷら、コロッケなどを温める方法がおすすめです。揚げ物は余分な油を落とすことで、カロリーカットができます。
ガスコンロのお手入れ
ガスコンロはお手入れをこまめにすれば不具合を起こしにくくなり、長期間使用できます。ここでは、ガスコンロのお手入れ方法を以下の2つにわけて紹介します。
- バーナーや天板部分のお手入れ
- グリル部分のお手入れ
バーナーや天板部分のお手入れ
バーナーと天板部分のお手入れ方法は次のとおりです。
バーナー部分のお手入れ

バーナーキャップやごとくを取り外し、食器用中性洗剤を使って水洗いします。
頑固な汚れがある場合は、ぬるま湯に中性洗剤を溶かした水に浸け置きしてから、ブラシでこすり洗いをしてください。バーナー部分の通気口に詰まっているゴミや汚れは、ブラシやつまようじで取り除きます。
洗浄後は、しっかり乾かしてから取り付けましょう。
天板部分のお手入れ

天板部分は、やわらかい布に水を含ませて拭いてから、乾いた布で仕上げ拭きをします。汚れが調理時の熱で焦げ付くと取りにくくなるので、こまめにお手入れしましょう。天板の縁や隙間も汚れがたまりやすいので、定期的に点検して拭き取ってください。
焦げ付いた汚れは中性洗剤を含ませた布で拭き取り、その後ぬるま湯を含ませた布で洗剤を拭き取ります。
研磨剤入りのスポンジや金属たわしは傷がつくため、使わないようにしましょう。
グリル部分のお手入れ

グリル部分のお手入れは、使用後、少し時間をおいてから行いましょう。使用直後のグリルはまだ熱を持っているため、不用意に触るとやけどの恐れがあります。手で触れる程度に冷めてからお手入れを始めてください。
グリル皿や焼き網は取り外して、油汚れを食器用中性洗剤で洗い落とします。水拭きしてしっかり乾燥させてから元の位置に戻しましょう。油汚れがひどい場合は、グリル用の専用クリーナーを使用するのも有効です。
焼き網は焦げ付きやすいため、やわらかいブラシを使うと効果的です。金属たわしや研磨剤は素材を傷つける可能性があるため避けてください。
グリル部分のお手入れを怠ると、炎が不安定になったり、異臭が発生したりする可能性があります。定期的なお手入れを心がけましょう。
ガスコンロの買い換え・購入なら

多彩な機能を知ると、新しいガスコンロに取り換えたいと思う方も多いのではないでしょうか。
買い換えの頻度が高くない設備だからこそ、しっかり選びたいもの。そのためには、価格だけにとらわれることなく、設置からアフターフォローまでしてくれるところで購入するのがおすすめです。
東京ガス横浜ショールームでは、リンナイ・ノーリツ・パロマのガスコンロをご覧いただけます。事前予約により、スタッフがお客さまのご要望をしっかりとお伺いし、理想のガスコンロ選びをサポートいたします。
ガス機器の交換は東京ガスにお任せください。確かな技術を備えたスタッフが工事を行うので安心です。
横浜ショールームについて
ガスコンロの耐用年数は約10年
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ガスコンロの交換時期は、購入から10年が目安です。日本ガス石油機器工業会(JGKA)や各メーカーも、設計上の標準使用期間を10年と定めています。
古いガスコンロは経年劣化が進んでおり、修理しても、すぐに新たな故障が発生するリスクがあります。そのため、繰り返し修理を行うよりも、買い換えた方が安く済む可能性が高いです。
使用期間が10年以上経過している場合には、寿命と考え買い換えを検討しましょう。
また、「火がつきにくい」「炎の色が赤・オレンジ」といった症状が見られる場合は、何らかの異常が発生している可能性があるため、一度メーカーに相談してください。
ガスコンロの使い方のまとめ
ガスコンロのグリルは魚を焼くだけではなく、便利な使い方や進化した機能が豊富にあり、食生活を豊かにしてくれます。機種によっては各メーカーの専用の調理器具が同梱されているので、より調理の幅が広がります。購入や買い換えを検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

コンロの耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
コンロの交換費用は10万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、1回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。
