ガスコンロに水をこぼしたときに火がつかなくなる原因
「少しくらい水に濡れても、ガスバーナーの火で乾くだろう」。そう思って点火スイッチを押しても、火がつく気配すらないと心配になってしまうものです。こうしたトラブルは、ガスの安全装置が原因で起こることがあります。
現在市販されているガスコンロには、立ち消え安全装置と調理油過熱防止装置、コンロやグリルの消し忘れ防止機能などが標準で搭載されていて、事故発生を防いでいます。
こうした機能はとても頼もしいのですが、ひとたび水に濡れるとすぐに点火するのは難しくなってしまいます。ちょっとした量の水であったとしても、バーナーキャップの内部まで水が入り込み点火プラグや立ち消え安全装置が濡れると火がつかなくなります。
簡単にできる!ガスコンロに水をこぼしたときの対処法
ガスコンロに水をこぼしたり、鍋がふきこぼれたりしてバーナーキャップ内に水が入ってしまった場合、どうすればいいのでしょうか。ご自分でも不具合を解消することは十分に可能なので、次のような対処方法をぜひ試してみてください。
1. 点火ボタンを切る
もしガスの使用中に水をこぼして火が消えてしまったのであれば、点火スイッチを切りましょう。スイッチがオンの状態では立ち消え安全装置が作動したままになってしまいます。一旦、点火スイッチをオフにしてから次の手順に進んでください。
2. ガスの元栓を閉める
次に、ガスの元栓を閉めてください。この後の工程でバーナーキャップを取り外したり、点火プラグやセンサー類を触ったりするため、作業上の安全を確保するためにガスの供給を元栓から止める必要があります。
ガス栓によっては元栓に安全装置が搭載されており、手動で閉められない場合もあります。その場合は無理に元栓を閉める必要はありません。
3. バーナーキャップが冷めているかを確認
消火後すぐのバーナーキャップはとても高温になっています。気軽に触ってやけどをしないように注意しましょう。十分に冷めたことを確認して、念のため手袋をはめてから作業してください。
4. 乾いた布でガス台を拭く
乾いた布を用意して、こぼした水を拭き取りましょう。最初は目に見える部分だけの拭き取りで構いません。鍋の吹きこぼれは汚れがこびりつきやすく、後から拭き取るのが大変になってしまうので、この段階で十分に拭き取っておきましょう。
5. バーナーキャップの水分を拭き取る
バーナーキャップは上に引き上げることで、簡単に取り外せます。完全に冷えてから、バーナーキャップや周辺の水分を拭き取りましょう。見えない部分や細かなくぼみなどに水分や汚れが残らないように、柔らかい布などを用意して拭き取ってください。
6. 点火プラグや温度センサーの水分を拭き取る
バーナーキャップを取り外すと、温度センサーや点火プラグ、立ち消え安全装置などにも触ることができます。位置がずれたり傾いたりすると正しく機能が働かなくなる恐れもあるため、優しく丁寧に水分を拭き取りましょう。衝撃を与えたり傷をつけたりすることは厳禁です。拭き取った後は、温度センサーがスムーズに上下に動くことを確認してください。動きが悪いと鍋底にしっかり密着せず、正しくセンサーが作動しなくなるので注意が必要です。
最後に、バーナーキャップを所定の位置に戻してください。バーナーキャップの位置がずれていると点火しなくなるため、正しい位置にセットできているか確認しましょう。
7. 乾燥させる
点火プラグやセンサー類が濡れた場合、拭き取りだけでは不十分な場合があります。その際は、しばらくガスコンロを使用せず乾燥させてください。
8. 点火するか確認
最後に点火するか試してください。ガスが安定して燃焼しているか、火力調節がきちんとできるかなどを確認すれば、作業は終了です。
乾かしても火がつかないときはどうする?
乾燥させても火がつかない際は、バーナーキャップや五徳が正しい位置に設置されているかを確認してください。わずかでも位置がずれていると安全装置が作動して点火しないようになっています。ガスコンロによっては、バーナーキャプや五徳を設置する方向が決まっているタイプもあります。ガスコンロの天板に位置を合わせる印やマークが刻印されているので、しっかりと位置合わせをしてから使用してください。
また、バーナー部分のお手入れ等をしてもコンロがつかない場合、コンロの電池が切れている可能性もあります。電池交換はご自身で行っていただけますので、コンロがつかない時の対処方法として試してみてください。
2024年05月19日
ガスコンロの電池を交換する方法は?交換時期や使用する電池の種類
ガスコンロが着火するまでに時間がかかるようになったら、電池交換の合図です。電池カバーの位置はガスコンロのタイプによって異なり、どのタイプも基本的にマンガン電池かアルカリ電池が使われています。ガスコンロが元通りに使えるよう、消耗した電池を新品に交換しましょう。 本記事では、ガスコンロの電池を交換する方法や、電池のサイズや種類、交換時期について紹介します。ガスコンロに電池が使われている理由や、交換後も不具合が解消されない場合の対処方法も解説しますので、参考にしてください。
ガスコンロに水をこぼさないようにするには?
ガスコンロへのダメージや負担を減らすためにも、できる限り水をこぼさないようにしたいところです。
日常でできる対応としては、深さのある鍋や大きめの鍋を使用する方法があります。
ガスコンロに水をこぼす原因の一つに、ふきこぼれや具材の量に対して鍋が小さいことが挙げられます。深さのある鍋や大きめの鍋にすれば、料理中の水濡れリスクを減らせます。用途にもよりますが、1~2人暮らしであれば16~20cm以上、3人家族以上の場合は、18~25cm以上の鍋を用意するとよいでしょう。
どうしても直らない場合は修理を依頼しよう
水分の拭き取りや自然乾燥では直らない場合は、他の原因が考えられます。ただし、素人の知識や技術では原因を追求するのは難しいため、専門知識と技術を持ったプロに修理を依頼しましょう。特に10年前後使用しているガスコンロの場合は、経年による故障の可能性も疑われます。ガスコンロの修理を依頼して、必要に応じて買い替えも検討してみてください。
修理を依頼する場合のポイント
修理を依頼する場合は、以下の内容を事前に確認しましょう。
資格制度があるなど信頼できる業者かを確認する
ガス機器は扱い方を間違えば重大な事故を起こす可能性もあるため、作業内容によっては有資格者でなければ対応してはいけないものもあります。関連する法律や基準を守らずに工事をすると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生など、健康にも悪影響を及ぼすおそれもあるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
東京ガスでは、社内資格制度を設けており、ガス機器修理に必要な知識・技能を有したスタッフが対応しますので安心してお任せいただけます。
見積もりの内容を確認する
修理を依頼する際は、事前に見積もりを確認しましょう。料金が安すぎたり、説明が不十分だったりする場合は注意が必要です。見積もりにない追加費用が請求されことが無いか確認しましょう。
修理を依頼する場合の作業時間の目安
ガスコンロの修理にかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。
メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、部品在庫がある場合や汎用性の高いパーツや配管等の交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。
東京ガスでは、ガスコンロをはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひ検討ください。
修理を依頼する場合の費用は?
ガス機器の修理費用は、出張費、故障診断料、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。
東京ガスでは、修理前に費用総額のお見積もりを提示し、金額確定後に追加請求することはありません。価格体系は以下の通りです。
【東京ガスの修理費用の価格体系】
- 修理基本料(税込4,400円。出張費、故障診断費、簡易的な一次対応費を含む)
- 技術料(作業内容に応じて算出されます。)
- 部品費(部品交換した場合にかかります。)
注)2023年8月31日現在の情報です。
ガスコンロに水をこぼしたら対処法を試してみよう
ガスコンロに水をこぼしたり濡らしてしまったりすると、上手く点火しないトラブルが起こることがあります。ガスの使用中に火が消えてしまうと、ガスが漏れる原因にもなるため、注意が必要です。水濡れが原因でガスコンロが点火しなくなったら、本記事で紹介した手順で対応してみてください。また、電池切れが原因でコンロがつかないケースもあります。コンロがつかない・着火までに時間がかかる時の対処方法として試してみてください。 それでも火がつかない場合は、別の原因が考えられますので、点検や修理を依頼しましょう。 東京ガスでは、ガスやガス機器のトラブルに対応しています。Webや電話での予約が可能で、最短即日に修理スタッフが点検・修理に伺います。ガス機器修理のほかにも、水まわり修理のご依頼も承っていますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。