ガスコンロの修理

ガスコンロの火がつかない!「チチチ」と鳴らないなど6つの症状別対処方法

ガスコンロの火がつかない場合、症状や箇所、機能によって原因や対処方法が異なります。メーカーや修理業者に依頼する方法以外にも、自分で対処できるケースもあります。この記事では、ガスコンロの火がつかない場合の対処法について、症状や点検箇所別、機能別に解説します。また、原因が分からないときの対処方法も紹介します。

最終更新日:2025年02月20日公開日:2024年04月06日

目 次

この記事でわかること

  • ガスコンロの火がつかない場合の対処法がわかる!
  • 自分で対処するケースと業者に依頼すべきケースがわかる!

ガスコンロの火がつかない時にまず確認すべきこと

電池の消耗・設置状態を確認する

ガスコンロ状態確認

ガスコンロが急につかなくなった場合、電池切れが理由であることがほとんどです。すべての口のコンロでうまく点火しない症状がみられる場合は、ガスコンロの電池切れの可能性が高いため電池交換をしましょう。電池切れの際にはガスコンロの「電池交換サイン」のランプが点灯しますので、電池交換の目安として確認してみてください。
ガスコンロに使用する電池のサイズ・種類、電池の設置場所については、購入時に付属している取扱説明書やマニュアル、またはガスコンロ上に貼られているシールに記載されていることが多いので、確認してみてください。

また、電池が正しく設置されていない場合も考えられます。
プラス・マイナスの取りつけ位置の間違い、衝撃による電池のズレでうまく点火できていない可能性もありますので電池の設置状態も確認しましょう。

ガス栓が閉まっていないか確認する

ガスの元栓

ガス栓が閉まっている場合は、ガスコンロが点火されません。ガス栓が開いている状態になっているかを確認しましょう。

ガスメーターが遮断されていないかを確認する

ガスメーター

ガスメーターが遮断されている場合、ガスコンロが点火されません。

ガスメーターが遮断されている際に発生する症状

ガスメーターが遮断されている場合は以下のような症状が考えられます。

  • 使用中に急にガスが使えなくなり、その後点火しなくなる。
  • コンロ、給湯器など家中のガス機器が使えない

例:コンロのチチチという音はするが点火しない。給湯器のリモコンスイッチはONになっているがお湯にならない。

ガスメーターが自動で遮断される原因

ガスメーターが自動で遮断される原因としては以下が想定されます。

  • 長時間、一定量のガスが流れ続けたとき
  • 震度5強の地震を感知したとき
  • ガスメーターの安全装置が作動したとき
  • 何かしらの原因で異常を感知したとき

ガスメーターの復帰操作をする


ガスメーターが遮断している場合は、ランプが赤く点滅しています。その際には復帰操作が必要になります。
メーターの復帰操作はメーターの種類によって異なります。該当のメーターの復帰操作をおこなってください。

参照:東京ガスネットワーク「ガスメーターの復帰方法」(2023-04-25)

【症状別】ガスコンロの火がつかない時の原因と対処法

ガスコンロの火がつかない時にみられる症状

まずは症状別にガスコンロの火がつかない時の原因と対処法について解説します。
ガスコンロの火がつかない時に、確認してほしい症状は「チチチ」という音が鳴るか鳴らないかです。

本章では症状から考えられる原因と対処法について解説します。

ガスコンロの火が付かないときの原因

「チチチ」という音が鳴る場合

ガスコンロの全ての口で点火しない場合は電池切れの可能性があります。
一方、2口コンロの場合は片方、3口コンロの場合は1口だけ点火できないなど、一部のコンロのみ点火できない事象が発生している場合は「バーナーキャップ」や「点火プラグ」の状態を確認しましょう。

ガスコンロ
  • バーナーキャップがズレている
    バーナーキャップは炎が着火する丸いドーナツ状の金属部品です。ガスコンロは、点火ボタンを押すことによりバーナーキャップから出るガスと、点火プラグが発する火花で着火する仕組みになっています。バーナーキャップが正しい取りつけ位置からズレている場合はうまく着火しないため、設置位置が正しいか確認しましょう。
  • バーナーキャップに汚れや水気が付いている
    バーナーキャップの裏側には複雑なくぼみがあり、これはガスや空気の量を調整して安定して点火させる役割を持っています。このくぼみ部分に焦げ、油、ススがたまると、ガスや空気の量の調整が困難となり点火しづらくなります。掃除や水気の拭き取りを行いましょう。
  • 点火プラグに汚れや水気が付いている
    点火プラグはバーナーキャップのそばにある先端がとがった部品で、点火プラグから出た火花を使ってガスコンロに火がつく仕組みです。バーナーキャップと同じく汚れが付着してしまうと、うまくスパークできずに点火しづらい場合があります。また、吹きこぼれなどによる水ぬれも点火しない原因になります。掃除や水気の拭き取りを行いましょう。

「チチチ」という音が鳴らない場合

「チチチ」という音が鳴らない場合

点火ボタンを押しても「チチチ」という音が鳴らない場合は、まずは電池切れや正しく設置されているか確認しましょう。

ガスコンロのパネルにエラーコードが表示されている場合は、一度電源を入れ直し、火がつくかどうか試してみましょう。エラーコードの意味や対処法はメーカーごとに異なるため、取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認することをおすすめします。

これらを試しても改善しない場合は、ガスコンロ内部の電気系統が故障している可能性が高いため、メーカーや修理業者に依頼する必要があります。

【箇所別】ガスコンロの火がつかない時の原因と対処法

ガスコンロの火が付かないときの対処方法

本章では、ガスコンロの火がつかない時の対処方法を箇所別に紹介します。バーナーキャップ、点火プラグ、電池、電気系統、ガス栓のそれぞれの箇所別に不具合が発生する原因と適切な対処方法がありますので参考にしてみてください。

バーナーキャップが原因の場合

バーナーキャップがズレている

バーナーキャップが原因となっている場合は「正しい位置に設置されているか」と「汚れや水気がついていないか」を確認しましょう。

  • 正しく設置する
    バーナーキャップはビスなどで固定されておらず、簡単に手で取り外すことのできるパーツです。そのためふとしたタイミングで設置位置がずれてしまっている可能性があります。ガスコンロ側やバーナーキャップに位置合わせの印があるので、設置位置が正しいかを確認しましょう。正しい位置にセットすることで安定するため、使い勝手も良くなります。
  • 汚れや水気を取り除く
    バーナーキャップの裏側には複雑なくぼみがあり、これはガスや空気の量を調整して安定して点火させる役割を持っています。このくぼみ部分に汚れが付着していたり、水気が付いて湿ったりしていると、ガスの不完全燃焼が起こる可能性があり、ガスコンロが自動でガスの供給をカットするようになっています。バーナーキャップを外し水気や汚れを取り除きましょう。

点火プラグが原因の場合

点火プラグ

バーナーキャップ同様、点火プラグが原因となっている場合は「正しく設置されているか」と「汚れや水気がついていないか」を確認しましょう。

  • 正しく設置する
    点火プラグの先端は細い形状になっているため、過度な力が加わると向きが変わってしまったり、変形してしまったりする可能性があります。変形などしていないか確認するようにしましょう。
  • 汚れや水気を取り除く
    点火プラグがぬれていたり、汚れたりしているときちんとスパークしません。ぬれている場合はしっかり乾燥させ、汚れの付着は柔らかい布などで丁寧にふき取ってください。

電池が原因の場合

電池が原因の場合

電池が原因となっている場合は「電池切れ」と「電池が正しく設置されているか」を確認しましょう。

  • 新しい電池に交換する
    「チチチ」というスパーク音がしない、普段と比べて音が弱々しいあるいは音の間隔が長いと感じたりする際は電池の消耗が考えられます。新しい電池に交換しましょう。また完全に容量を使い切っている場合は、スパーク音もしなくなりますのでその症状が発生した際にも電池交換をしてください。電池交換の目安は前回の交換から1年ですので参考にしてください。
  • 正しく設置する
    電池が入っていてもズレていたり、きちんと電極と接していなかったりするケースがあります。正しい位置にセットし直してください。

電気系統の故障が原因の場合

電気系統の故障が原因の場合

ガスコンロの電気系統が故障している場合は修理を依頼しましょう。新しい電池に交換しても「チチチ」というスパーク音がしない場合は、ガスコンロの電気系統の故障が疑われます。

  • 修理を依頼する
    ガスコンロの内部に搭載されている基盤に、何かしらの不具合が発生しているため、専門知識を伴う診断や部品交換が必要です。修理の依頼をご検討ください。

電気系統の故障が疑われる場合の、ガスコンロの修理作業例は、こちら >

ガスメーターが原因の場合

ガスメーターが原因の場合

ガスメーターが原因となっている場合は「ガスメーターが遮断されていないか」を確認しましょう。
ガスメーターが閉まった結果、ガスコンロの火がつかないこともあります。自分で操作していないのにガスメーターが遮断されている場合に想定されるのは、地震によるガス漏れの可能性がある場合、ガスメーターの安全装置が作動した場合や長時間ガスを使用し続けた場合です。また何かしらの原因でガスメーターが異常を感知した場合も自動でガスメーターが遮断することがあります。

  • ガスメーターの復帰操作をする
    まずガスメーターが遮断していないか確認してみましょう。遮断されている場合はメーターの復帰操作を行いましょう。復帰操作の手順はメーターの種類によって異なりますので、下記のリンク先のページから、該当するメーターの復帰操作をおこなってください。注)

注)東京ガスネットワーク「ガスメーターの復帰方法」(2023-04-25)

ガスのホースが原因の場合

ガスのホースが原因の場合

ガスのホースが折れ曲がっていたり、経年劣化により損傷していたりすると、コンロまでガスが届いていない可能性があります。折れ曲がっている場合はまっすぐに直し、損傷している場合は交換して再度点火してみましょう。

ガスホース自体も経年劣化し、7年程度での交換が目安とされています。家電量販店で販売されているテーブルコンロであれば、自分でホースの交換ができますが、ビルトインコンロの場合は専門の資格が必要であるため、業者に依頼しましょう。

【機能別】ガスコンロの火がつかないときの原因と対処法

点火ロック(チャイルドロック)が原因の場合

点火ロック

ガスコンロの点火ボタンの近くには、誤作動や子どものいたずらなどを防止する点火ロック(チャイルドロック)があり、知らずに作動しているケースもあります。

ガスコンロの機種によって、ロック機能の位置やロック方法が異なるため、取扱説明書で確認しましょう。

具体的には、ボタンタイプとつまみタイプの2種類あり、ボタンタイプは一般的に数秒間長押しすることでチャイルドロックを解除できます。一方、つまみタイプは左右どちらかに動かすことでロックを解除できる仕組みです。

安全センサー(Siセンサー)が原因の場合

安全センサー(Siセンサー)が原因の場合

安全センサー(Siセンサー)は、鍋底の温度を感知し、天ぷら火災や鍋の焦げつきなどを防止するための機能です。2008年10月以降、家庭用のガスコンロの全口に対し、温度センサーの搭載が義務化されました。

温度センサーがしっかりとなべ底に密着していないと、火がつかない可能性があります。また、温度センサーがついていると焼き網を使った調理はできず、点火しようとしても火がつかない仕様となっています。

また、立ち消え安全装置が汚れていたりぬれていたりすると、点火しないケースがあるため確認しましょう。汚れている場合は、ブラシや軽くぬらしたふきんで汚れを取り除いて再度火がつくか試してみましょう。

原因が分からないときの対処方法

キッチンで悩む女性

ガスコンロの不具合の原因が分からない場合もあります。そのようなときは、取扱説明書やメーカーのホームページを調べてみましょう。

取扱説明書やメーカーのホームページのよくある質問を確認

ここまで紹介してきた対処方法で解決しない場合、もしかすると機器特有の原因による不具合かもしれません。ガス給湯器本体の取扱説明書やメーカーのホームページの中の「よくある質問」や「Q&A」などで、似た症状について書かれていないかをチェックし、対処方法を調べてみましょう。

それでも原因が分からない場合は、メーカーや販売店にメールや電話で問い合わせましょう。あらかじめ不具合が起こっているガス給湯器の品名、品番、製造年月などを確認してから問い合わせを行うとスムーズです。

対処方法を試してもガスコンロの火がつかないなら修理を依頼しよう

症状別、箇所別に確認を行った上で、ガスコンロが作動しない場合は機器自体が故障している可能性が高いと判断できます。その際は修理の依頼を検討しましょう。
ガスコンロには立ち消え安全装置や温度センサーといった機能が搭載されているため、専門知識を持った技術者でなければ修理ができません。ガス機器は扱い方を間違えば重大な事故を起こす可能性もあるため、お近くのガス会社等に依頼しましょう。

修理を依頼する場合の作業時間の目安

ガスコンロの修理にかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認から調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもあります。一方で、部品在庫がある場合や汎用性の高いパーツや配管等の交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。東京ガスでは、ガスコンロをはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。Webでは24時間365日予約を受け付けていますので、お困りの際はぜひ検討ください。

ガスコンロの寿命は何年?

ガスコンロの寿命

ガスコンロの交換推奨時期は、一般的に10年とされています。多くのメーカーでは、ガスコンロの耐用年数を10年と記載しており、安全に使用するための目安が10年といえます。

10年以上経過すると部品の劣化が進み、急な故障に見舞われる可能性が高くなります。また、修理対応する場合の交換部品が入手できず、結果的に交換となるパターンもあるため、10年を目安に買い換えを検討することをおすすめします。

ガスコンロの火がつかない場合は交換が必要なことも

ガスコンロの火がつかない場合は交換が必要なことも

ガスコンロの火がつかない原因によっては、修理が難しい場合や経年劣化による問題で交換が必要になることがあります。以下のような症状が見られる場合は、交換が必要かもしれません。

  • 経年劣化により火がつかない、または途中で火が消える
  • 着火以外にも、振動や異音、匂い、本体の破損や変形などがある

特に、使用から10年以上経過しているガスコンロの場合は、メーカーが推奨する交換時期を確認し、修理ではなく交換を検討しましょう。

東京ガスの調査では、10年以上経過したガスコンロでトラブルが発生した場合、70%以上の人が交換を選んでいます。一方で、購入から10年未満のガスコンロの場合、半数以上が修理を選択する傾向が見られます。

ただし、メーカーが提示している交換時期はあくまで目安であり、使用状況や手入れの頻度によっては劣化が早まることもあります。ガスコンロの状態をしっかり確認して判断しましょう。

ガスコンロの修理・交換の流れ

「東京ガスの機器交換」ご利用の流れ

東京ガスでのガスコンロの修理・交換の流れをご紹介します。

  1. ご予約
  2. ご訪問:最短で当日の訪問可能
  3. 診断/見積もり:修理基本料・技術料・部品費など全て含めた総額をご提示
  4. 修理/安全確認
  5. お支払い:事前の連絡なく、お見積もりの金額に追加請求することはありません

ガスコンロの修理・交換を依頼する際は、メーカーホームページにある依頼フォームから手続きを行う方法が一般的です。依頼フォームでは、ガスコンロの全体や周囲、ガス管の接続部、型番などの写真のほか、氏名・住所を入力する必要があります。

交換の場合は、送付された写真をもとに、お客さまに適した商品を提案し、チャットを通じてやり取りを行います。その後、指定された期間内に取りつけ工事を実施します。

ガスコンロの修理の費用相場

ガス機器の修理費用は、出張費(故障診断料等含む)、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。東京ガスでは、修理前に費用総額のお見積もりを提示し、金額確定後に追加請求することはありません。

ガスコンロの交換の費用相場

ガスコンロの交換の費用相場

注) 2024年12月時点の情報です
注1) 紹介している価格相場は、工事費込みの費用です
注2) グラフはビルトインコンロ(埋め込みタイプ)の価格相場です

ガスコンロの交換費用は、ビルトインタイプと据え置きタイプで異なり、さらに各タイプ内でもグレードによって相場が分かれます。以下は、ビルトインタイプのグレード別の費用目安です。

  • スタンダード~ミドルグレード:10万円以下
  • ミドル~ハイグレード:10万~15万円
  • プレミアムグレード:15万円以上

これらの金額には、基本工事費24,200円(税込)が含まれています。スタンダードグレードであれば、10万円以下で新品のビルトインガスコンロを設置できるため、コストを抑えつつ交換が可能です。

一方、据え置きタイプはビルトインタイプのような複雑な工事が不要なため、交換作業が簡単で費用も抑えられます。コストを重視する場合は、据え置きタイプの選択がおすすめです。

修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!

修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!

給湯器の耐用年数注)は約10年です。10年以上経過している場合、故障の頻度も増えていきます。
トラブル発生時は「修理」と「交換」の要望はほぼ同じですが、最終的な解決方法は10年を境に差が出てきます。ご利用年数が10年以下なら修理、10年以上なら交換することをおすすめします。

注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。

修理と交換お選びいただけます

まとめ

ガスコンロの火がつかない場合の原因と具体的な対処方法を解説しました。電池交換で対応できる原因もあれば、専門の修理スタッフでなければ対処が難しい原因もあります。取扱説明書などを確認しながら症状を把握し、それぞれの対応を行いましょう。またガスコンロの寿命は10年程度の場合が多いです。交換部品も10年をめどに在庫がなくなり修理対応ができないケースもあるため、故障のタイミングでの交換も検討することをおすすめします。

  • この記事の監修者

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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