お風呂の追いだき機能とは?
追いだき機能は、お風呂に備える機能の中でも特に人気が高く、賃貸住宅を選ぶ際の条件として挙げられることも少なくありません。
お風呂の追いだき機能は、浴槽に張ったお湯を沸かし直して温めています。
ガス給湯器だけでなくオール電化の給湯器にも搭載されています。
また追いだき機能にはメリットやデメリットがありますが、特に衛生面には注意して使う必要があります。
お風呂の追いだき機能の仕組み
まずはお風呂の追いだき機能の仕組みについて、タイプごとに解説していきます。
強制循環方式と自然循環方式
追いだき機能には、「強制循環方式」と「自然循環方式」の2つのタイプがあります。
浴槽内の穴の数で循環方式の違いを見分けることが可能です。
■強制循環方式
浴槽内に1つのみ穴があるタイプです。
穴から冷めたお湯を一旦吸い込み、給湯器のポンプで温め直した後、同じ穴からお湯を戻します。
■自然循環方式
浴槽内の上下に2つ穴があるのが特徴です。
下の穴から冷めたお湯を吸い込み、上の穴から温めたお湯を出す仕組みです。
オートとフルオートで機能が異なる
追いだき機能を搭載した給湯器には、「オートタイプ」と「フルオートタイプ」があります。
2つのタイプの違いは自動足し湯、自動洗浄などの機能があるかどうかです。
これらの機能はオートタイプには非搭載ですが、フルオートタイプには搭載されています。ただし、機能が充実したフルオートタイプは、オートタイプよりも1~5万円程度高くなっています。
オートタイプでも追いだきやお湯張りなど基本的な機能は付いているため、用途や予算に合わせて最適なタイプを選びましょう。
お風呂の追いだきを利用すれば翌日も入浴可能?
少し冷めてしまったお湯を沸かし直すのに、追いだき機能はとても便利です。
しかし、翌日に冷たくなったお風呂に入浴するには、お湯の張り替えか、追いだきか、どちらが良いのでしょうか。
料金面、衛生面の双方から、それぞれ見ていきましょう。
ガス代は変わらないが水道代は節約できる
水同然に冷めてしまったお湯を追いだきする場合、お湯を張り替えるのと同じだけのガス代がかかりますが、追いだきには水道代がかからないため、総額では節約になります。
ただし、翌日以降の追いだきは後述する衛生面でのデメリットがあるため、料金面だけで判断するのは考えものです。
衛生面ではおすすめできない
いちど冷めたお湯を、翌日以降に追いだきするのは、衛生面ではおすすめできません。
2人で入浴した場合、入浴直後の細菌数は入浴前の約3倍、一晩経つと細菌数は入浴直後の約1,000倍に増殖してしまいます。
健康なひとであればそれだけで病気になることは少ないですが、健康面で気を付けなければならない人は避けた方が無難でしょう。
抵抗力の弱い赤ちゃんやお年寄り、皮膚に疾患がある人は、毎回お湯を張りかえて入浴してください。
お風呂の追いだき機能を使う際のポイント
ここからは、追いだき機能を使う際のポイントを紹介していきます。
ポイントを抑えて使うことで、給湯器や配管の早期劣化を防ぎ、節約も可能です。
定期的に内部洗浄を実施する
追いだき機能は浴槽内の穴からお湯を吸い込み、温め直したお湯を浴槽に戻す仕組みのため、定期的な内部洗浄が欠かせません。
定期的に掃除をせず放置しておくと、追いだき機能内部に汚れや水あかが付着したり、細菌が増殖する原因になります。
ホームセンターなどで販売されている風呂釜洗浄剤を使い、月1度の掃除が必要です。
また、給湯器のなかには自動洗浄機能が搭載された機種もあります。
自動で内部洗浄をしてくれるため、手入れの手間を少なく抑えられます。
成分によっては入浴剤が使えない場合がある
入浴剤の中には、追いだきをすることで配管や給湯器内部を傷めてしまうものもあります。
中でも、塩・硫黄・濁るタイプの入浴剤は、配管を痛めるリスクが高く、さらには浴槽内部、配管、給湯器の早期劣化を招きかねません。
また、食物入りの入浴剤の場合は、配管に残って雑菌やカビが繁殖する原因になることもあります。
入浴剤と追いだき機能を併用する際は、浴槽や風呂釜を傷める成分が入っていない中性重炭酸入浴剤の使用がおすすめです。
また、確実なのは入浴剤のパッケージや説明書に「ふろがまや浴槽をいためません」「全自動強制循環式ふろがまにも使えます」などといった記載があるかを確認することです。
併せて、給湯器の取扱説明書も確認しておくと良いでしょう。
まとめ
お風呂の利便性を向上させる追いだき機能は、浴室リフォームにおいても人気の高い機能です。
一方で、浴槽内のお湯を配管を使って循環させるため、衛生面への配慮や定期的な洗浄が欠かせません。
今回ご説明したポイントをおさえ、追いだき機能を上手に使った快適なお風呂をお楽しみください。
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給湯器の耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
給湯器の交換費用は20万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
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