マンションの給湯器を交換するには? 流れや費用について徹底解説

マンションの給湯器を交換するには? 費用や流れ、交換時期を徹底解説

マンション向けの給湯器の寿命・耐用年数は、一般的に約10年といわれています。給湯器の交換は、耐用年数を経過した場合や故障のサインが見られたときにおすすめです。この記事では、給湯器の寿命や交換推奨時期について詳しく解説します。マンション向け給湯器の選び方や交換費用の相場、交換の流れや注意点も合わせて紹介するので、参考にしてみてください。

最終更新日:2024年10月23日公開日:2024年07月05日

目 次

マンション向け給湯器の寿命・耐用年数

マンション向け給湯器の寿命・耐用年数

マンション向け給湯器の寿命・耐用年数は、一般的に10年とされています。給湯器の各メーカーは、安全に使用できる標準的な期間として「設計上の標準使用期間」を製品ごとに定めています。

標準的な使い方をした場合、標準使用期間は「約10年」が目安です。そのため、給湯器の寿命や耐用年数は、標準使用期間である10年程度と考えておきましょう。

ただし、標準よりも頻繁に給湯器を使ったり、寒冷地など給湯器に負担のかかりやすい環境だったりすると、標準使用期間よりも寿命や耐用年数が短くなるケースもあります。劣化によるサインを見逃さず、故障や事故につながる前に交換するのがおすすめです。

また、給湯器の標準使用期間である10年を過ぎると、部品の製造が終了してしまう可能性も生じます。順調に使用できているとしても、10年を目安に給湯器の交換を検討してみましょう。

注)寿命は標準使用期間を指しています。

マンション向け給湯器の交換推奨時期

マンション向けの給湯器を交換する推奨時期を紹介します。劣化した給湯器を使い続けると、危険な事故につながる可能性があります。適切な交換時期を見極めて、安全な生活を送りましょう。

給湯器の寿命となる10年が目安

給湯器の寿命となる10年が目安

給湯器は、約10年を経過するタイミングで交換するのがおすすめです。これは、各メーカーが給湯器の修理部品を保有する期間を、該当機種の生産終了から10年程度に設定しているためです。

また、給湯器の一般的な耐用年数は約10年とされています。10年を超えて給湯器を利用すると、経年劣化により火災や一酸化炭素中毒などの事故が起こる可能性があることも。

使用開始から10年を迎える給湯器は、冬が来るまでに交換しておくようにしましょう。冬場は給湯器のトラブルが多い季節です。寒い時期になって修理や機器交換の依頼をしても、日にちがかかるケースもあるため、早めに交換しておくと安心です。

給湯器の故障のサインが出始めたとき

給湯器を適切なタイミングで交換するためには、故障のサインを見逃さないことが大切です。給湯器の故障のサインは見た目、音・ニオイ、使用中の不具合があります。具体例を以下に示します。

給湯器故障のサイン

イメージ画像

具体例

見た目

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  • 排気口周辺などがさびている
  • 水漏れしている
  • エラーコードが出ている

音・ニオイ

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  • 大きな音や異音がする
  • 異臭や発煙がある

使用中の不具合

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  • お湯の温度が低い
  • 使用中に水になる
  • 栓を開いてもお湯が出ない
  • 追いだきができない
  • お湯の温度が安定しない(ぬるくなることがある)
  • お湯張りの水位が安定しない

上記のサインがあるのに放置すると、思わぬ故障・重大事故につながる危険性があります。
そのため、故障のサインが出始めたら取り替えを検討することが大切です。

マンション向け給湯器の交換費用相場

給湯専用

従来型

82,000円~100,000円

高効率(エコジョーズ)

113,000円~190,000円

ふろ給湯器

従来型

150,000円~230,000円

高効率(エコジョーズ)

157,000円~224,000円

暖房付きふろ給湯器

266,000円~292,000円

注)「東京ガスの機器交換」取り扱い給湯器を参照
注)2024年10月時点の価格です

マンション向けの給湯機器の交換費用は、機器の性能で金額に差が生じます。高性能なものほど、交換費用が高い傾向です。例えば、給湯専用タイプよりも、オートやフルオートタイプの方が交換費用が高くなります。

交換費用の相場は、暖房機能なしで15~20万円、暖房機能付きのもので30~35万ほどです。マンションの玄関横に設置する「PS(パイプシャフト)タイプ」か、ベランダなどに設定する「壁掛けタイプ」があり、この設置タイプによっても費用に差が生じ、どちらかといえば、PSタイプの給湯器の方が価格が高くなります。

同タイプ・同機能であれば、メーカーごとの価格差はほとんどありません。号数が大きくなったり、省エネタイプだったりすると価格が上がります。

マンション向け給湯器の交換費用は、給湯器本体とリモコンの価格と基本工事費用を合わせた金額です。機能や設置タイプが従来とは異なる給湯器に変更する場合、追加工事が必要になるかもしれません。

無駄な支出を抑えるために、お使いの給湯器のタイプを把握してから、必要な機能のついた給湯器を選ぶようにしましょう。また、見積もりの際に、追加工事などで実際の費用がいくらになるのか、事前に確認するのがおすすめです。

マンション向け給湯器を交換する流れ

交換の流れ

マンション向けの給湯器を交換するには、まず管理会社などに連絡をしましょう。マンションの場合は、独断で給湯器の交換をすることはできません。

賃貸の場合は、管理会社や大家に連絡すれば、あとは交換業者とのやりとりを行ってくれます。一方、分譲の場合は管理会社への連絡後に、自分で交換業者とのやりとりが必要です。一般的な手順は、以下をご覧ください。

【分譲マンションで給湯器を交換する場合】

  1. 交換業者に連絡をとり、見積もりを依頼する
  2. 見積書を確認して、契約を完了させる。
  3. マンションの管理会社に連絡する
    ・工事申請の必要有無を確認する
    ・工事不可の曜日や時間帯がないか確認する
  4. 必要事項を交換業者に伝える。
  5. 交換工事は立ち会いが必要なので、事前に日程を取り決める
  6. 交換工事を開始する

給湯器の交換にかかる時間は、機種や機能などによって異なりますが、約1〜5時間です。給湯専用の場合は、リモコンが1ヵ所で配管も少ないため、比較的早い時間で交換可能です。しかし、ふろ給湯器や給湯暖房熱源機では、リモコンや配管の数が多くなり、試運転もさまざまな機能をチェックする必要があるため、作業時間が長くなります。

マンション向け給湯器の選び方

マンション向けの給湯器は、種類や号数によって機能や対応人数が異なります。そこで、給湯器の種類や号数の選び方を紹介します。

給湯器の種類をもとに選ぶ

給湯器の種類をもとに選ぶ

マンション向け給湯器は、設置されている方法や機能により分類されます。設置タイプは、お住まいのマンションによって異なり、玄関脇に設置されている「PS(パイプシャフト)タイプ」とベランダの外壁などに設定される「壁掛けタイプ」の2種類です。

給湯器の交換時に設置タイプの変更はできないので、使用している給湯器がどこに設置されているか、事前に確認しておきましょう。

マンション向け給湯器は、以下の3種類の機能に分けられます。

  • 給湯専用:お湯のみ出すことができ、追いだきはできない
  • ふろ給湯器:自動でお湯はりができ、追いだきも可能
  • 給湯暖房熱源機:給湯以外に床暖房など、複数にエネルギーを供給できる

ふろ給湯器と給湯暖房熱源機を選ぶ場合は、オートタイプとフルオートタイプを選べます。どちらも自動でお湯はりや追いだきができ、フルオートタイプは、自動で足し湯や配管洗浄が可能です。

それぞれ特長が異なるため、ご家庭でどの機能が必要なのかを考えて、給湯器の交換を検討してみてください。

号数をもとに選ぶ

号数をもとに選ぶ

給湯器の号数によりお湯の出る量が異なるため、使用状況や家族構成などを考慮して号数を選択することが大切です。特に家族同時にお湯を出す場合は、十分なお湯の量を確保する必要があります。

給湯器の号数は、1分間に出る水温+25℃のお湯の量によって変わります。例えば、1分間に24リットル出す能力があれば24号となります。号数が大きいほど、一度に大量のお湯を使うことが可能です。

マンションで使用される給湯器の号数は、16号から24号が一般的です。 

【大まかな目安】

16号

一度に複数カ所で使用しない1人暮らし

20号

たくさんお湯を使うことが少ない2人暮らし

24号

同時に複数カ所での使用が多い4人家族

給湯器の機能と同様、ご家庭の使用状況に応じて、マンションに設置する給湯器の号数を選びましょう。

東京ガスおすすめのマンション向け給湯器

「東京ガスの機器交換」が推奨するマンション向け給湯器として、給湯器名とおすすめポイントを紹介します。

給湯器名

イメージ図

おすすめのポイント

パロマ高効率ふろ給湯器

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  • ガス使用量を抑えられるエコジョーズ
  • 配管クリーン機能が標準搭載

リンナイ高効率ふろ給湯器

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  • ガス使用量を抑えられるエコジョーズ
  • 省エネをサポートするエコ機能が搭載

ノーリツ高効率暖房付きふろ給湯器

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  • ガス使用量を抑えられるエコジョーズ
  • スイッチを押すと自動で省エネ機能が使用可能

リンナイ高効率暖房付きふろ給湯器

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  • ガス使用量を抑えられるエコジョーズ
  • 省エネをサポートするエコ機能が搭載

どの商品も、省エネタイプの給湯器である「エコジョーズ」を搭載しています。

エコジョーズは、従来型の給湯器に比べてガスの使用量を抑えられます。設置費用は高めですが、ランニングコストが従来型より安くなるため、給湯器の一般的な寿命である約10年を使用期間と考えると、より経済的です

給湯器のメーカーにより性能に大きな違いはありません。細かな機能の違いやデザインを考慮して、給湯器を選んでみましょう。

マンション向け給湯器を交換する際の注意点

マンション向けの給湯器を交換する場合の注意点は、以下の5つです。

  1. マンションでは事前に管理会社に連絡が必要
  2. プロパンガスなのか都市ガスなのかを確認しておく
  3. 必要な資格を持つ業者に依頼する
  4. 交換作業はDIYしてはダメ
  5. 保証の有無を確認する

給湯器交換時のトラブルを防ぐために、しっかり理解しておきましょう。

マンションでは事前に管理会社に連絡が必要

マンションでは事前に管理会社に連絡が必要

分譲マンション、賃貸マンションどちらでも、給湯器の交換を決めたら事前に管理会社への連絡が必要です。その後の手続きは、両者でそれぞれ異なります。

分譲マンションでは、管理会社に連絡したあと自分で交換手続きを進められます。事前に管理会社への連絡が求められるのは、マンションによって交換できる機種に制限があったり、工事のルールが取り決められていたりする場合があるためです。

一方、賃貸マンションでは、管理会社または大家への連絡と給湯器交換の依頼が必要です。自分で工事業者とやりとりするのではなく、管理会社や大家に対応してもらいます。

どのタイプのマンションにお住まいの場合でも、給湯器の交換が必要だと感じたら、まずは管理会社に確認してみましょう。

プロパンガスなのか都市ガスなのかを確認しておく

プロパンガスなのか都市ガスなのかを確認しておく

ガスには「プロパンガス」と「都市ガス」があり、使用しているガスの種類によって、給湯器交換の対応が異なります。使っているガスのタイプを、事前に確認しておきましょう。

戸建てでプロパンガスを使用している場合、屋外にガスボンベが設置されているため、見た目でわかりやすくなっています。しかし、マンションではプロパンガスを使用していても、ボンベが見える訳ではありません。

ガスのタイプは、ガス給湯器本体やコンロのシールで確認できます。プロパンガスの場合は「LPG」と記載されており、都市ガスの場合は「12A13A」と記載されています。

給湯器本体のラベルが確認できなかったり、ガスコンロの電池ボックス裏側の記載を確かめてみましょう。

必要な資格を持つ業者に依頼する

給湯器交換にはガス、電気、水道の工事が必要となります。
具体的に必要な資格と工事内容の一例を挙げると以下のようになります。

●ガス工事

  • ガス可とう管接続工事監督者(ガス機器とガス栓を接続する際に必要)
  • 液化石油ガス整備士(LPガスを使う設備を設置、更新する場合に必要)
  • 簡易内管施工士(都市ガス配管工事の設計や施工の際に必要)

●電気工事

  • 第2種電気工事士(コンセントの増設や電源接続工事を行う場合に必要)

●水道工事

  • 給水装置工事主任技術者(給湯器の水道管の接続や修理を行う場合に必要)

業者の選定を行う際には上記の資格を所有している業者を選定し、実際に工事を担当する方も同じく資格を所有していることを確認しましょう。

交換作業はDIYしてはダメ

交換作業は自分でしてみても大丈夫なのかと思う方もいることでしょう。
しかし、給湯器交換工事は前述したとおり専門性が高く、有資格者が行わなければならない作業が多くあります。

ガス漏れや漏電、水漏れ等といった事故のリスクもあるため、資格もないままに作業すると、重大事故につながりかねません。
給湯器交換はDIYせず、有資格者に依頼するようにしましょう。

保証の有無を確認する

ガス給湯器にはメーカーごとに保証期間がありますが、それ以外にも業者によって別途保証を用意されています。
この保証の有無や内容をよく確認しておきましょう。

  • 有償or無償か?
  • 保証の期間はどれくらいか?
  • 保証の対象、範囲はどれくらいか?
  • 他にも条件がないか?

上記のような部分をしっかりと確認して、自分たちに必要な保証の内容を検討してください。
後々のトラブルにもつながりかねないので、手厚い保証やアフターサポートがある業者を選ぶと良いでしょう。

おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

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給湯器の耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。

給湯器の交換費用は20万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。

注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。

東京ガスの機器交換