給湯器のパネル

停電後にガス給湯器がつかない場合の対処方法や復旧時の注意点

地震や台風による停電はいつ起こるか分かりません。また夏場や冬場にはエアコンなどの電力消費が増え、需給不足を回避するための計画停電が行われる可能性もあります。こうした理由によって停電した際、お使いのガス給湯器によっては、使うことができなくなってしまいます。 停電した際にはどのような対処が望ましいのでしょうか。さらに、停電から電気が復旧した際には、すぐにガス給湯器を使ってよいのでしょうか。本記事では、停電後にガス給湯器がつかない場合の対処方法や復旧する際の注意点を詳しく解説していきます。

最終更新日:2024年05月18日公開日:2024年04月07日

目 次

停電時にまずとるべき対応

停電後にガス給湯器がつかないとき

リモコンで操作するタイプの給湯器や全自動風呂に対応している給湯器は、電気を使って動いているため、停電時は使えなくなります。落ち着いて次の対応をとりましょう。

身の安全を確保して電気が復旧するまで待つ

停電中に優先して行うべき対応は身の安全の確保です。夜間であれば、手元や足元が暗いことでどこかにぶつけたり物を落としたりしてケガをする恐れがあります。懐中電灯やスマホなど照明代わりになるもので特に足元を照らしてください。身の安全を確保した上で、停電の状況を確認します。

周りの家も停電しているか確認する

停電が発生した場合は周辺地域の状況を確認してください。自然災害が原因であれば、地域一帯で停電が発生しているはずです。夜間であれば灯りが見当たらないため一目で把握できますが、日中の場合はスマホやラジオで停電情報を確認できます。

また、停電の原因は地震や台風、大雨などの自然災害だとは限りません。場合によっては、電気トラブルにより特定の建物だけで停電が起こることがあります。原因としては、一時的に電力を使い過ぎてブレーカーが落ちていることや、漏電していることなどが疑われます。

ブレーカー自体の故障や漏電の恐れがあるならば、電力会社に問い合わせをして、指示に従ってください。ブレーカーをはじめとした電気設備の分解や修理を行うには、電気工事士などの専門資格が必要です。無理に自力で修理しようとすると感電の原因となるため絶対に避けてください。

停電時にガス給湯器で確認すべきこと

懐中電灯

給湯器によっては停電時でも使用できますが、使用前には確認すべき点があります。

ガスが漏れていないかを確認する

停電の原因となった災害などによって、給湯器本体に傷や不具合が生じている可能性が考えられます。そのため、停電時にガス給湯器を使用する前には、ガス漏れの確認が必要です。
ガス漏れを確認するときのポイントは、ガスの臭いがするかどうかです。また、「シュー」と音がしている場合もガス漏れの可能性があります。室内でガス臭や異音を感じるようであれば、すぐに窓を開けて換気を行いましょう。

ガスが漏れているときに給湯器を使用すると、引火・爆発や一酸化炭素中毒など大きな事故につながる危険があります。確認は十分注意して行いましょう。あわせて、換気扇や伝統のスイッチは引火の原因となるため、絶対に手を触れないようにしましょう。

詳しくは「ガス臭いときは|東京ガスネットワーク」をご確認ください。 

明かりを確保して操作する

暗い中で給湯器を操作すると、誤作動やトラブルを発生させてしまう可能性があります。ガス漏れがないことを確認できても、停電が続いている場合は手元を照らせる明かりを確保してから給湯器の操作を行うようにしましょう。

突然の停電に備え、非常用懐中電灯など、いざというとき時に使える照明を準備しておくことが大切です。また、懐中電灯やライトは非常時に転がったり埋もれたりしないよう、ストラップやフックなどを使って「吊るす保管」をしておくのがおすすめです。

停電後にガス給湯器がつかない場合の対処方法

電気が復旧したにも関わらず、ガス給湯器が動いていない、お湯がでないという場合の対処方法を紹介します。

対処方法を試す前にガス漏れを確認する

まず、ガス給湯器から異臭や異音がないかを必ずしてください。ガス臭がしたり、シューと音がしたりする場合は、ガス漏れが発生していることが疑われます。

異常を感じた際は、無理にガス機器を動かそうとせずに、速やかにガス漏れ緊急ダイヤルに連絡してください。室内でガス臭や異音を感じるようなことがあれば、すぐに窓を開けて換気を行なわなければなりません。また漏れたガスに引火する恐れもあるため、火を使うようなものが近くにないかも確認してください。あわせて、換気扇や電灯のスイッチは引火の原因となるため、絶対に手を触れないようにしましょう。

給湯器以外のガス機器が使えるか確認する

ガス機器

ガス給湯器に原因があるかどうか特定するには、ガスコンロやガスストーブなど他のガス機器が使えるかどうか確認します。機器に繋がっているガスの元栓を開けて、着火するかどうか確認してみてください。ガスコンロやガスストーブが問題なく使用できるようであれば、正常にガスが供給されている証拠です。お湯が出ない理由は、ガス給湯器に原因があると判断できます。

ブレーカーが落ちていないか確認する

ブレーカー

100V電源を必要とする給湯器の場合は、ブレーカーが落ちていると作動しないため、リモコンのスイッチがONになっているか確認してください。リモコンに電気を供給するブレーカーは正常でも、屋外のガス本体に電気を供給しているブレーカーが落ちている可能性もあります。ブレーカー本体のスイッチを入れ直して、給湯器が作動するか再び確認してください。

給湯器によっては、乾電池式で電気の供給を必要としないものもあります。浴室内に据え置きする風呂がまタイプや、小型湯沸かし器タイプの給湯器を使用している場合は、乾電池式の可能性が考えられます。乾電池が消耗したことが原因でガスがつかない場合も想定されますので、新しい電池と交換して再度運転してみてください。浴室内に設置されている場合は、電池や電池ケース内に水分が付かないよう給湯器周辺をタオルでよく拭き取った上で作業するよう心掛けましょう。

ガス給湯器本体の電源プラグが抜けていないか確認する

プラグ

ガス給湯器本体の電源プラグが抜けていたり、緩んでいたりする場合もあります。差し直してもすぐに動かない場合は、電源プラグを10秒ほど抜いた状態にしてから差すことで症状が改善されることもあります。

なお、電源プラグの差し直しを行う際は水濡れに要注意で、特に雨の中での作業や濡れた手での作業は禁物です。給湯器の電気系統に故障が生じる他、感電や漏電のリスクもあるためくれぐれもご注意ください。

表示されているエラーコードを確認する

エラーコード

給湯器のリモコンにエラーコードが表示されている際は、一時的に使用できない状態になっている可能性があり故障とは限りません。メーカーを問わず統一されたエラーコードが使われていることもありますが、厳密には少しずつ意味が異なる場合もあるため、取扱説明書にて確認していただくのが確実です。以下にお問合せの多いエラーコードをいくつかご紹介します。

エラーコード

エラー内容

32

給湯器の電気系統での異常

75

浴室リモコンの異常

76

リモコン伝送の異常

101・102

給排気の異常

111・11

点火不良

140・14

給湯器内部の故障による停止

290

ドレン配管のつまり
凍結による凝縮水の排出不可

502・512

浴槽の湯張りエラー

610

ファンモーター本体の劣化故障
電装基板故障

632

循環不良、部品故障

760

リモコンの通信不良

991・992

燃焼異常

大雨などの天候不良で給湯器がつかないときは、111が表示されている可能性が考えられます。111はガスの点火ができない現象や、火が消える現象が起きていることを知らせるエラーコードです。ガスが遮断された状態でお湯を出そうとした際に、点火不良が検知されるため非常に多く見受けられます。

いずれのエラーコードも指示内容に従って操作して、エラーを解除してください。手順通りに操作してもエラーが解除できない場合も、時間をおいて再度試してみることで正常に作動することがあります。

リモコンの電源を入れ直す

リモコン

エラーコードの内容に関わらず、リモコン電源を入れ直すと復帰できることもありますので試してみてください。また停電によって各種設定(時刻、給湯温度など)がリセットされ、再設定を促す表示になる機種もあります。設定をし直して運転できるか確認してください。

自分で対処してもガス給湯器がつかないときは東京ガスに依頼する

停電が原因の場合は、復旧作業によって再びガス機器を使用できるようになりますが、それでもガス機器が動かない場合は、停電以外の原因で配管、本体、内部部品の損傷、劣化などに不具合が生じている可能性があります。
異常を感じたままの使用はしないようにしましょう。修理が必要な場合は最短で当日に対応可能ですので、快適で安全な暮らしを保つためにも早めのご相談をおすすめします。

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まとめ

停電後にガス給湯器を利用する際の対処方法を解説しました。停電が起こった際はまず身の安全を確保することが最優先です。急いでガス給湯器の状態を確認する必要はありません。灯りがない状況で行動すると思わぬケガにつながるため十分に注意してください。

停電中は何故停電が起きているのかを確認し、停電の復旧を待ちます。停電解消後のガス機器の復帰は、ガス機器のエラーコードを確認してリモコンの電源を入れ直すことで、復帰する場合が多くあります。停電によってブレーカーが落ちている可能性もあるため、給湯器本体やリモコンが動かない場合は確認してください。

ガス機器によっては停電の場合でも使用できるものもありますが、停電時にガス機器をお使いいただく場合には、換気に十分ご注意の上ご使用ください。停電後に復帰操作をお試しいただいてもガス機器が動かない場合は、停電以外の原因で配管、ガス機器本体に不具合が生じている可能性があります。気になる症状がある場合は、修理のご依頼をご検討ください。

  • この記事の監修者

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。