地震が起こるとガス機器の安全装置が作動する
ひとたび地震が発生すれば、何よりも安全を優先しなければなりません。ガス漏れによる火災や爆発などが起こらないように、ガスメーターには安全装置があります。揺れを検知すると自動でガスの供給がカットされる仕組みです。
ガスコンロや給湯器、ガスストーブなどのガス機器が使えなくなってしまいますが、安全を確保するためには欠かせません。「特に被害もないし、ガスを使いたい」という場合は、ガスメーターを確認してください。異常がないようであれば、自分でもガスメーターの復帰操作が可能です。
地震以外に安全装置が作動する条件
実は、地震以外にもガスの供給が止まってしまう場合があります。原因が分からずにガスが使えなくて戸惑ってしまうことがないよう、地震以外でガスメーターの安全装置が作動する条件を知っておきましょう。
ガスメーターの安全装置が作動する条件
- メーターの大きさごとに定めた以上の多量のガスが流れた場合
- 長時間、一定量のガスが所定の時間以上流れ続けた場合(家庭用と一部の業務用)
- 震度5程度以上の地震を感知した場合(10号以上では、ガスの流れのある時のみ)
- 流れるガスの圧力が所定の値を下回った場合(ガスの流れのある時のみ)
- 警報器・不完全燃焼警報器が作動した場合(連動している場合のみ)
注)引用元:東京ガスネットワーク「ガスメーターの役割と安心機能」(2023-04-25)
いずれかの条件が当てはまった際に、安全装置が作動します。地震発生直後にガスの供給が止まった場合は原因を特定しやすく、すぐにガスメーターの復帰操作に取り掛かることができます。気づかないうちに衝撃が加わっているような場合は、ガス機器の故障を疑ってしまうかもしれません。ガス機器が動かない、お湯が出ないなどの症状が出た際は、ガスメーターが異常を検知していることが原因でないかも疑ってみてください。
ガスメーターの復帰手順
自分でガスメーターの復帰作業をするときの正しい手順を解説します。復帰作業がスムーズにできるように、普段からガスメーターの位置を把握しておきましょう。戸建て住宅であれば、屋外のどこかに設置されています。玄関付近の外壁まわりに取り付けられているケースが多いです。マンションやアパートなどであれば、玄関横のメーターボックスの中に設置されているのが一般的です。建物によっては共用の廊下にある場合も考えられます。
1.ガスメーターの赤ランプが点滅しているか確認する
安全装置が作動してガスが止まっていると、ガスメーターの赤ランプが点滅しています。まずはランプの点滅を確認してください。赤ランプの位置は、ガスメーターによって多少異なります。メーターの中央上部分の目立つ場所に設置されている機種が一般的です。最近では液晶表示になっていたり、文字が一緒に表示されたりするタイプもあります。
ガスメーターの確認時に少しでもガス臭がするようであれば、ガス漏れの疑いがあるためガス漏れ緊急ダイヤルに連絡してください。
2.全てのガス機器を止める
赤ランプが点滅していれば、安全装置が作動している証拠のため家じゅうのすべてのガス機器を止めてください。ガスコンロやガスストーブなどの屋内で使用するガス機器はもちろん、給湯器のように屋外にある機器も忘れないようにしましょう。なお、この時にガスメーター自体のガス栓や、機器の近くにあるガス栓は閉じる必要はありません。
3.復帰ボタンのキャップを回して外す
安全装置を解除する復帰ボタンは、誤操作から守るために多くの機種でキャップが取り付けられています。キャップは手で回せるようになっていますので簡単に外せます。キャップを外して復帰ボタンを確認してください。
4.復帰ボタンを奥まで押し込んでゆっくり離す
復帰ボタンは、ゆっくりと奥までしっかり2秒間押してください。赤ランプが点滅から点灯に変われば、ゆっくりと指を離しましょう。
5.3分待って復帰ボタンのキャップを戻す
一旦、点灯した赤ランプが再び点滅に変わります。ガスメーターがガス漏れの有無を確認しているため3分間程度待ちます。この状態ではまだガスは使えません。3分程度が経過して赤ランプの点滅が消えていれば、ガスが正常に供給されています。キャップを元に戻して復帰作業は完了です。
【ガスメーターの復帰方法】
- 全てのガス機器を停止する
- ガスメーターの確認
- 赤ランプの点滅を確認
- 復帰ボタンのキャップの取り外し
- 復帰ボタンを押す
- 約3分待つ
- 赤ランプが消えていることを確認してキャップを戻す
- ガスの使用再開
地震後はガス漏れの危険性もあるため注意
復帰ボタンを押してから3分程度経過後に、赤ランプが点滅し続けているときは注意が必要です。ガス漏れの可能性やガス機器の止め忘れが疑われます。再度、ガスコンロやガスストーブなど、消し忘れている機器がないか確認します。給湯器のリモコンも電源をオフにし、お風呂の湯張りや床暖房なども復帰操作中は使用を停止します。すべてのガス機器を停止した上で復帰操作を行ってください。
同じ作業を繰り返してみてもガスが止まっているようであれば、お住いの地域のガス会社への連絡(東京ガス供給エリア内の場合は、東京ガスネットワーク(株))への連絡が必要です。特に地震の後はガスの配管に不具合が生じ、ガス漏れが発生している可能性も考えられます。少しでも異常を感じるようであれば、速やかにガス漏れ緊急ダイヤルに連絡しましょう。
まとめ
地震後のガスの復帰方法を解説しました。普段は触ることが少ないガスメーターですが、正しく操作することで自分でも問題なくガスを復帰が可能です。ガスメーターの機種によっては、赤ランプや復帰ボタンの位置が異なる場合もあります。操作方法が分からないときはガスメーターに付属している説明書やお住いの地域のガス会社のホームページ等で操作方法を確認してください。
また、復帰作業を正しく行ってもガスが使えない場合は、ガスメーターが何かしらの異常を検知している状態のためガス会社へ速やかに連絡してください。作業員が到着して点検を行い異常がないことが確認できるまでは、ガス漏れの可能性もありますので、ガスのご利用を控えてください。
ガス機器によっては、ガスメーターが復帰した後に設定をし直していただく必要があります。給湯器は電源がOFFになると設定がリセットされる機種もあるため、取扱説明書等を確認して再設定をしてください。また、ガスメーターが復帰してもガス機器が使えない場合は、地震の影響などによって機器が故障している可能性もあります。ガスを使って快適に生活するためにも、早急に修理をご検討ください。
東京ガスは24時間365日いつでもガス機器のトラブルに対応しています。お困りの際は電話かWebからご相談ください。