太陽光発電に関わる制度!?「卒FIT」とはどういう意味?
「FIT制度」とは太陽光発電など再生可能エネルギーの固定価格買取制度のこと。ご自宅のソーラーパネルで太陽光発電した場合、余剰電力を電力会社が一定価格で買い取ってくれる制度です。
太陽光発電システムの導入のハードルを下げ、再生可能エネルギーの普及拡大を目指すことを目的に、2009年から始まりました。
この制度は導入から10年で満了を迎え、それ以降は買い取りの対象ではなくなります。満了以降、余った電力はどのようにすれば良いのでしょうか?
FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)について詳しく知りたい!
FITでは、発電設備の容量が10kW以上の場合には、発電した量すべてが買い取りの対象ですが、10kW未満の場合は、発電した量のうち、ご自宅で消費した後の余剰分が買取対象となります。一般的に個人のお宅がソーラーパネルを住宅の屋根に載せて発電するケースでは、ほとんどがこの余剰分買い取りの対象だと考えて良いでしょう。
買取価格は毎年見直されて、制度開始初期に比べると段々と安くなっています。2019年度の家庭用太陽光発電(10kW未満)の場合は単価24~26円と、前年より買取価格は1~2円安くなっています。
参考:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 制度の概要」
我が家の場合はいつ満了? 「卒FIT」を迎える時期とは?
FITは特別措置として創設された制度で、利用者が制度の利用を開始して10年で満了を迎えます。2009年に利用開始した人は、2019年に満了し「卒FIT」しています。
卒FITについて「2019年問題」と呼ばれるのは、2019年11月からFIT買取期間が順次満了していくためです。
その件数は、2019年の11月・12月だけで約53万件にもなりました。グラフをみると2019年に卒FITした件数が1番多いですね。累計では2023年までに約165万件が卒FITする予定です。
買取制度の適用を受けている方は、いつから制度を利用しているか確認し、卒FITする時期を計算してみてください。
買取期間満了の6~4か月前(買取者のシステムの都合によっては3か月前)を目途に、現在買い取りを行っている事業者から、買取期間の満了時期などについて通知が届くことになっています。そちらもあわせてご確認くださいね。
「卒FIT」を迎えたご家庭が決めなきゃいけないこととは?
卒FITし電力会社が一定価格で買い取ってくれなくなった余剰電気はどうなるのでしょうか?
(1)今契約している電力会社に余剰電力を新しい単価で継続して買い取ってもらう
買取期間の満了後も契約が自動継続となっている場合、余剰電力は今契約している電力会社が新しい単価で継続して買い取ります。
(2)余剰電力を蓄電しておき、自家消費する
余剰電力を電気自動車・エコキュート・蓄電池などに蓄電しておき、自宅で消費する方法です。
(3)余剰電力の自由売電に移行する
電力会社の買取金額を比較検討し、買取金額の高い電力会社と契約する方法です。
卒FIT後は、そのまま放置しておくより、上の(2)か(3)を行うのがオススメです。それぞれ詳しくご紹介します。
【卒FIT後の選択肢 1】余剰電力の自家消費とは?
自家消費とは、これまで電力会社に売っていた電気を、自宅での消費にあてる選択肢です。
太陽光発電の場合、日照時間が長いほど多く発電できます。日中発電した電気を蓄電池などに貯め、夜間に使ったり、また災害などで停電したら、その際に蓄えておいた電気を使えます。
自家消費のメリット
・電気代を節約できる
・非常用の電源を確保できる
【卒FIT後の選択肢 2】余剰電力の「自由売電」とは?
卒FIT後は、基本的にさまざまな電力会社に買い取りを依頼することができます。さまざまな電力会社の買取メニューを比較して、ご家庭に合ったプランを選びましょう。
電力会社のプランも多種多様。買取期間の満了までに、ぜひチェックしてみてください。事業者の手続きに一定の期間を要しますので、早めに申込みをすませておくと安心です。
売電できる事業者一覧はこちら
余剰電力売電のメリット
・売電による収入が得られる
東京ガスは、太陽光発電した電力の買取価格が業界トップクラス!
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東京ガスと電気やガスのご契約のないお客さまも、東京電力管内であればご契約可能です。ぜひチェックしてみてくださいね!
※買取単価には非化石価値および消費税等相当額を含みます。なお消費税率は10%で計算しています。
※買取単価は今後見直しとなることがあります。
おわりに
自家消費の場合は蓄電池などの初期投資が必要になります。また、余剰電力を売電する場合は電力会社の買取価格を比較検討する必要があります。どちらが良いかはご家庭によって異なるので、ぜひ卒FIT前に探してみてくださいね。
参考:資源エネルギー庁「住宅用太陽光発電設備のFIT買取期間終了に向けた対応」2018年9月12日
参考:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 制度の概要」
参考:資源エネルギー庁「FIT制度における2019年度以降の買取価格・賦課金単価等を決定しました」
参考:資源エネルギー庁「どうする? ソーラー よくあるご質問」
参考:資源エネルギー庁「どうする? ソーラー 自家消費・相対・自由契約」
参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金 公募要領」2019年4月8日
参考:株式会社東京ガス「太陽電力の買取プラン」