太陽光発電をつけてよかったこと
まずは、「太陽光発電システムを導入してよかった」と思っている方たちの理由を確認してみましょう。
電気代の節約
太陽光発電システムを導入してよかったことの代表例が、「電気代の節約になる」という点です。
通常、家庭で使う電力はすべて電力会社から購入し、その分の電気代を支払います。しかし、太陽光発電システムを設置すると、電力会社から購入する電力の代わりに、自家発電した電力を使用できます。
太陽光発電の場合、日差しがない時間帯は自家発電できないため、蓄電池を導入しない限り、自宅で利用する電力のすべてを自家発電でまかなうことができませんが、それでも電力会社から購入する電力量を減らせるため、電気代が節約できていると感じられることが多いようです。電気料金メニューによっては夜間よりも日中の電気代が高いこともあるため、日中に購入する電力を抑えられることはメリットになるといえます。
なお、太陽光発電システムと一緒に蓄電池を導入すれば、太陽光発電システムの性能や設置条件次第で、電力会社からほとんど電力を購入しなくても生活できる可能性もあるため、節約効果を高めたい方は蓄電池の導入も検討するとよいでしょう。
また、太陽光発電で得た電力を自家消費しても余る場合は、その余剰電力を電力会社に売ることも可能です。電気代の節約に加え、収入が増やせる余地がある点も、太陽光発電システムをつけてよかったという意見の理由のひとつになっているようです。
災害時や停電時の緊急事態でも電気を使える
太陽光発電は、燃料などを必要とせず、太陽光さえあれば電力を生み出すことができます。そのため、災害や停電が発生して電力会社からの電力供給が止まっても、日光が降り注ぐ限り電力を生み出し、使用し続けられます。
そのため、災害のときに、太陽光発電をつけていてよかったと改めて感じた方もいるようです。
過去の事例を確認してみると、台風などによる停電でも、場合によっては数日続く可能性もあります。2019年に発生した台風15号による停電の復旧(停電件数がピーク時と比較して99%解消)には「約280時間」、2022年の台風14号に伴う停電の復旧(⽴⼊困難箇所を除き送電完了=停電件数がピーク時と比較して約98%解消)には「約100時間」を要したとされています。この間に太陽光発電をつけていたことで助かったという家庭もあったでしょう。
こうした非常時に電気が使えず、普段どおりの生活ができないことは大きな不安です。そんな中、日中だけでも太陽光発電によって電気が使えることは安心材料になりますし、蓄電池に電気を蓄えておけば夜間であっても電気が使えるため、さらに安心です。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁「『台風』と『電力』~長期停電から考える電力のレジリエンス」
環境にやさしい
太陽光は再生可能エネルギーのひとつで、「温室効果ガスを排出しない」「永続的に利用できる」といった特長を持つ環境にやさしいエネルギー源です。
一方で現状、日本の電源構成の約7割を占める火力発電で使用される化石燃料は、燃焼させる際に温室効果ガスが発生するエネルギー源であるため、世界各国が使用量を減らそうと試みています。日本では2030年度に、太陽光を含む再生可能エネルギーの電源構成を36〜38%にすることを野心的な目標として掲げています。
電力会社から購入する電気は火力発電をはじめさまざまな方法で発電された電気ですが、太陽光発電システムによって電力会社から購入する電気を減らし、再生可能エネルギー由来の電気を使用する割合を高めることで、環境にやさしいライフスタイルへと切り替えることができます。このように地球環境の保全や脱炭素化への貢献意識から導入を決めた方もいるようです。
このように身近なところから、世界的な課題の解決に寄与できるのも太陽光発電の魅力といえるのではないでしょうか。
太陽光発電の設置で後悔していること
太陽光発電には家計の助けになることをはじめ、災害時に役立つ、環境問題の解決に寄与できるといったメリットがたくさんありますが、導入して後悔したことがあるという方もいるようです。どんな点を後悔されているのでしょうか。
導入コストが高い
太陽光発電のデメリットとしてもっとも多く耳にするのは、「導入するのに高額の費用がかかる」ということでしょう。すでに自宅に設置して電気代を節約できている方でも、導入前にきちんと収支の見通しを立てておかないと「何年たてば初期費用を回収できるのだろうか」と考えてしまうこともあるようです。
一般に「高い」といわれることもある導入コストですが、実際はどのくらいなのでしょうか。
太陽光発電の設置には工事費や機材費などさまざまな費用がかかります。経済産業省の資料によると、2022年に設置された太陽光発電の費用は1kWあたり平均26.7万円でした。
家庭用の太陽光発電の発電容量は3~5kWが多いため、初期費用は容量次第で100万円前後かそれ以上かかると考えてよいでしょう。
太陽光発電システムだけでは蓄電ができない
悪天候などで発電ができない日や災害などの非常時に備えて、多く発電できた時に電力を蓄えておきたいのに、それができないとわかって後悔しているという方も一部にはいるようです。
太陽光発電システムのみでは、基本的に発電した電力を蓄えておくことはできません。自家消費しきれない余剰電力は、基本的にはFIT制度を利用して売電することになります。
太陽光発電の設置で後悔しないためには?
「太陽光発電を導入したいけど、設置してから後悔したくない……」と迷っている方のために、知っておくと役立つ方策を2つご紹介します。
太陽光発電の補助金を活用する
太陽光発電システムの導入をサポートするための補助金制度を設けている地方自治体があります。例えば東京都では、都が太陽光発電システムの導入に対して新築住宅の場合は発電容量1kWあたり10~12万円注)、既存住宅の場合は発電容量1kWあたり12~15万円注)を補助する事業を行っています。
先述のとおり、太陽光発電は初期費用が100万円を超えることも少なくないため、補助金を受け取れるのは心強く、導入のハードルも下がるのではないでしょうか。
条件を満たせば、市区町村が主体の補助制度などと併用できる場合もあるので調べてみる必要があります。ただし各制度にはそれぞれ申し込み期限が設けられているため、申請と工事開始のスケジュールなどに注意が必要です。なかには申請額が予算額に達したら申し込み期間中でも受付を終了するところもあるので、早めに確認しましょう。
注)上限金額など条件の詳細は下記、クール・ネット東京「令和6年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」をご覧ください
参考:クール・ネット東京「令和6年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」
蓄電池の設置を検討する
太陽光発電システムに蓄電池を併用すれば、日中に余った電力を悪天候の日や夜間に使えます。太陽光発電システム単体で運用する場合に比べ、電気代を大幅に節減できる可能性もあります。
また災害などによる停電時、蓄電池がなくても日中であれば太陽光発電で生み出した電気を使うことはできますが、蓄電池があれば夜間や悪天候時にも電気が使えるため安心感は増すでしょう。
ただし、蓄電池の設置にも初期費用が必要で、蓄電できる電力量が多いほど金額も高くなります。実勢価格の相場としては、設備費と工事費を合わせて容量1kWhあたり15万~25万円程度です。決して安くはありませんが、蓄電池設置のための補助金制度も設けられているため、長期的な視点に立って検討してみることをおすすめします。
まとめ
太陽光発電には、電気代の節約や災害時の備え、環境への配慮など「つけてよかった」と感じる場面がたくさんあります。初期費用が高い、太陽光発電システム単体では蓄電ができないといった側面もありますが、対策次第で納得のいく形で導入することが可能です。
太陽光発電や蓄電池は自治体による補助制度を利用できるため、ご自身が活用できる制度を調べたうえで積極的に活用してみましょう。
東京ガスの太陽光発電では、導入後に「期待していたものと違った……」とならないよう専門スタッフが丁寧に説明することはもちろん、補助金の申請までサポートします。発電量や収支の見通し、また最適な導入方法はお住まい一軒ごとに異なりますので、まずはお気軽に無料訪問相談をお申し込みください。