この記事でわかること
- トイレの水が流れないときの応急処置がわかる!
- トイレの水が流れない原因と、どうするべきか対処法がわかる!
- トイレの水が流れないときの修理依頼先がわかる!
トイレの水が流れないときの応急処置
トイレットペーパーや流せるウェットティッシュの量が多かったことが原因で、トイレが流れないときの応急処置を紹介します。
ただし、誤って便器内に物を落としてしまった場合は、この応急処置は行わず専門業者に対応を依頼しましょう。
■ラバーカップが家にある場合
- 止水栓を止めて電源プラグを抜く
- ビニール袋に穴を開けてラバーカップを通し、水の飛び散りを防ぐ
- ラバーカップを便器の排水口に密着させる
- 静かに押し込んで勢いよく引っ張る
- 数回繰り返して詰まりを取る
- 詰まりが解消できたら、バケツの水を少しずつ流してスムーズに流れるか確認する
なお、便器内の上面近くまで水位がある場合は、灯油ポンプなどを用いて便器の上面から10㎝以上の低さまで水位を減らしてください。
また、バケツの水で詰まりが解消できたかを確認する前にレバーを引いて水を流してしまうと、詰まりが解消できてなかった場合に水が溢れてしまいます。
レバーを引くのは、必ずバケツの水を使って詰まりが解消していることを確認してからにしましょう。
■ラバーカップが家にない場合
- 止水栓を止めて電源プラグを抜く
- 灯油ポンプなどを使用して便器内の水を抜く
- バケツを使い、高い位置から少量の水を流す
- 詰まりが取れなければ、ぬるま湯を注ぐ
- 1時間ほど放置する
- バケツの水を流し、詰まりの解消を確認する
バケツで水を流す場合は、できるだけ高い位置から注ぐことがポイントです。
細長い滝をイメージして流すと、詰まりを解消しやすくなります。
バケツの水で詰まりを解消できないときは、ぬるま湯を使用しましょう。
ぬるま湯を注いだあとに放置しておくと、異物が柔らかくなり流れやすくなります。
なお、熱湯を注ぐと陶器が割れたり排水管を傷めたりするため、使用しないでください。
詰まりが取れたかを確認するときは、再度バケツの水を使用しましょう。
トイレのレバーを使用して水を流すと、一気に水が溢れ出し便器からこぼれる恐れがあります。
【ケース別】トイレの水が流れないときの原因と対処法
異物の詰まり以外でトイレの水が流れない場合は、タンク内の水が溜まっているかを確認することで原因を特定できるかもしれません。
タンク内の水が溜まっている場合とそうでないケースに分けて、原因や対処法を紹介します。
不具合が起きている部位を見極めるために、まずはトイレの水が流れる仕組みについて理解しておきましょう。
水を流すためにレバーをひねると、鎖でつながっているフロートバルブが上がります。
フロートバルブは排水口の弁の役割をしており、位置がずれると便器内に水が流れる仕組みです。
水が流れてタンク内の水量が減ると、水位に伴って浮き玉が下がります。
浮き玉の動きに連動して支持棒が作動し、ボールタップの給水弁が開いて、タンク内と手洗い管に給水されるのが正常な状態です。
浮き玉が一定の位置に来ると水が止まるので、タンク内の水量は一定に保たれます。
つまり、一つでも部品がうまく作動しなければ、水は正常に流れません。
タンク内の水が溜まっている場合と溜まっていない場合に分けて、水が流れない原因を探っていきましょう。
タンク内の水が溜まっている場合
原因 | 確認方法 | 対処法 |
---|---|---|
フロートバルブの鎖が切れている | タンク内の部品を確認 | 交換 |
レバー本体の軸が折れている | タンク内の部品を確認 | 交換 |
タンク内に水が溜まっている場合は、フロートバルブかレバー本体の故障が考えられます。
該当する部品と対処法を以下で見てみましょう。
フロートバルブの鎖が切れている
フロートバルブはレバーと連動している部品で、レバーを回すとフロートバルブが持ち上がり、便器内に水が流れる仕組みです。
水が流れ終わると自重で元の位置に戻り、再び栓をします。
フロートバルブとレバーは鎖でつながっているため、この鎖が切れていれば連動しません。
レバーを回してもフロートバルブが持ち上がらず、水を流せないトラブルが発生します。
■対処法
鎖を交換する
<鎖の交換方法>
- トイレの止水栓を閉める
- タンクのフタを外す
- 鎖とフロートバルブを外す
- 新しいものに交換する
- タンクのフタを閉めて止水栓を開き、水が流れるか確認する
レバー本体の軸が折れている
レバーとフロートバルブの鎖をつなぐ軸が破損していると、うまく操作を行えず水が流れません。
レバーが回らなかったり戻らなかったりする場合は、レバー本体の故障の可能性が高く交換が必要です。
■対処法
レバー本体を交換する
<レバー本体の交換方法>
- トイレの止水栓を閉める
- レバーの先に付いている鎖を外す
- レバーを固定しているナットを外し、ハンドルを引き抜く
- 新しいレバーを差し込み、パッキンを取り付ける
- ナットで締める
- 鎖をつなぎ、フロートバルブが作動するか確認する
タンク内の水が溜まっていない場合
原因 | 確認方法 | 対処法 |
---|---|---|
給水がストップしている | 断水情報を確認 | 断水の状況による |
止水栓が閉まっている | 止水栓を確認 | 止水栓を開ける |
浮き玉・支持棒・ボールタップが 故障している | タンク内の部品を確認 | 交換 |
タンク内に水が溜まっていなければ、正常に給水されていません。
考えられる3つの原因を解説します。
給水がストップしている
自然災害や近くの道路で水道工事を行っている場合は、一時的に断水されている可能性があります。
トイレが流れない症状に加えて、ほかの水回りからも水が出ない状態になっていないかを確認しましょう。
■対処法
自然災害:バケツに入れた水を勢いよく流し入れる
水道工事:水道工事の終了を待つ
自然災害時の対応については、トイレの取扱説明書を確認してみてください。
水道工事がある場合は、事前に案内がされているはずです。
断水情報については自治体や水道局のホームページでも確認できるため、思い当たる節がある方はチェックしましょう。
止水栓が閉まっている
止水栓とは、トイレタンクへの水の供給をしたり止めたりする栓のことです。
トイレ掃除やトイレの点検を行ってもらった際に、止水栓が閉まったままになっている可能性があります。
■対処法
止水栓が閉まっていないか確認する
止水栓の位置はトイレの種類によってさまざまです。
以下の画像のようにトイレ本体の外に付いていることもあれば、トイレ本体のパネルのなかに収まっているタイプもあります。
止水栓の正確な位置は、お使いのトイレの取扱説明書を参照することで確認可能です。
浮き玉・支持棒・ボールタップが故障している
タンク式トイレの場合、水を流す際はタンク内に溜められた水を使用します。
「浮き玉・支持棒・ボールタップ」の3つは、タンク内の水位減少を感知して給水する役割を持った部品です。
このうちどれか一つでも不具合があれば、タンク内に水が溜まらずレバーを引いても水が流れてこなくなります。
■対処法
交換を行う(自分でも対応は可能だが、心配な場合は業者へ依頼する)
ボールタップと浮き玉は一体となっているため、一緒に交換するのが一般的です。
また、ボールタップのパッキンは劣化しやすく、2~3年で交換が必要になるケースも見受けられます。
それぞれの部品の交換方法は以下のとおりです。
<浮き玉・支持棒の交換方法>
- トイレの止水栓を閉める
- レバーを回し、タンク内の水を空にする
- タンクのフタを開けてボールタップ・手洗い管・補助水管を外す
- ボールタップと浮き玉をつなぐナットをゆるめて浮き玉を外す
- 新しい浮き玉・支持棒を交換して外したナットを締めて取り付ける
- 止水栓を開けてタンク内に水を溜めて、浮遊するか確認する
- 手洗い管・補助水管・タンクのフタを戻す
<ボールタップの交換方法>
- トイレの止水栓を閉める
- レバーを回し、タンク内の水を空にする
- タンクのフタを開けてボールタップ・手洗い管・補助水管を外す
- 浮き玉とボールタップを固定しているナットを取り外す
- ボールタップ・パッキンを交換する
- 手洗い管・補助水管を元に戻す
- タンクのフタをかぶせて止水栓を開き、水漏れがないか確認する
トイレの水が流れないときの修理はどこに相談する?
自分で対応できる範囲の処置をして、それでもトイレの水が流れないときは業者に修理を依頼しましょう。
無理に自分で修理しようとすると、配管を傷つけて水が漏れてしまったり、ほかの部品まで故障してしまったりする可能性があります。
余計に被害が大きくなる恐れもあるため、不安な方はプロに相談するのが賢明です。
トイレの水が流れないときの相談先を状況・緊急度別にまとめました。
状況 | 緊急度 | 相談先 |
---|---|---|
水流が少ない | 低 | メーカー・施工業者・大家さんや管理会社(賃貸の場合) |
詰まって水が流れない | 中~高 | メーカー・施工業者・水道修理業者・大家さんや管理会社(賃貸の場合) |
水が溢れそう | 高 | 水道修理業者・大家さんや管理会社(賃貸の場合) |
■水流が少ない場合
トイレから少量の水しか出ない、うまく全部流れない状態のときは、メーカーや施工業者へ連絡しましょう。
保証内で対応してもらえれば、費用を安く抑えられます。
ただし、賃貸の場合はまず大家や管理会社へ相談するのが無難です。
■詰まって水が流れない場合
朝や昼間であれば、メーカーや施工業者の営業時間内に対応してもらえるでしょう。
賃貸住宅では、大家さんや管理会社が対応するケースがほとんどです。
ただし、夜間などに修理をしてもらいたいときはいずれの相談先も対応時間外となることが多いため、水道修理業者の利用を検討してみてください。
■水が溢れそう
便器から水が溢れそうな場合、スピード重視で水道修理業者に連絡しましょう。
賃貸住宅であれば、まずは大家さんや管理会社に相談します。
対応時間外のときは水道修理業者に依頼しても問題ないものの、後日その旨を大家さんや管理会社へ早めに報告することが大切です。
トイレの水が流れない頻度が多いなら交換も検討しよう
トイレの寿命は、一般的に10~15年程度とされています。
寿命に近い年数が経ったトイレで、しばしば故障が起こるようであれば、交換も検討しましょう。
トイレの水が流れない原因となった箇所を直しても、次はまた違う箇所が故障するかもしれません。
修理を繰り返すと結果的に費用がかさんでしまい、交換したほうが安いケースもあります。
製品・施工保証は1~10年と幅広く、保証が切れると修理費用は高額になりがちです。
トイレが流れないときの原因と対処法まとめ
トイレの水が流れないときは、異物の詰まりかタンク内の部品故障が主な原因です。
トイレットペーパーや水に流せる紙製品が詰まっているのであれば、ラバーカップなどを使用することで解消できるケースがあります。
タンク内に不具合が生じている場合は、部品の交換が必要かもしれません。
自身で対応するときは、本記事で紹介した交換方法を参考にしてみてください。
部品交換に不安を感じる方や応急処置を試してみても直らないときは、専門の業者に依頼すると良いでしょう。
トイレの寿命は10年ほどです。
頻繁に故障する場合は本体が劣化している可能性もあるため、トイレの交換も検討してみてください。