温水洗浄便座(ウォシュレット等)が水漏れしたときに、まずすべきこと
ウォシュレット注)などの温水洗浄便座は、電気や水が通っているため水漏れを起こすと重大な事故につながる可能性があります。原因を突き止める前に、まずは以下の対応をしてください。
止水栓を閉める
ウォシュレット注)などの温水洗浄便座には、給水するための配管が通っているので、まずは止水栓を探して閉めてください。止水栓は温水洗浄便座から伸びている給水管を辿っていけば見つかります。
止水栓を閉めるには、マイナスドライバーを使い、時計回りに回せば閉まります。止水栓は水量を調整する役割もあり、ゆるめたら水量が多くなり、締めると水量が減るようになっています。そのため修理後に止水栓を締める前と同じ給水量に戻すには、あらかじめ何回転させて締めたのかを覚えておく方がよいです。
修理後に元の給水量に戻す際、閉めた時と同じ回転数だけ開ければ、水圧も元通りになります。止水栓を開けすぎると必要以上の水流になり、温水洗浄便座やトイレ本体に負担がかかるため気を付けましょう。
コンセントを抜く
止水栓を閉めた後は、温水洗浄便座(ウォシュレット注)など)の電源コードをコンセントから抜きましょう。水漏れによる漏電や感電を防ぐためです。抜いた電源コードの先には、ビニール袋などを被せておけば、温水洗浄便座から漏れた水に濡れる心配もなくなります。
【原因箇所別】温水洗浄便座の水漏れの対処方法
温水洗浄便座(ウォシュレット注)など)の耐用年数は、一般的に7~10年程度といわれています。非常に複雑な機構になっており、内部の部品のどれかが劣化したり故障したりすることで水漏れに繋がりやすいです。そのため確実に水漏れを直すためには、まずは原因となる箇所を特定する必要がありますので、紹介する方法をぜひ参考にしてみてください。
止水栓や元栓からの水漏れの対処方法
温水洗浄便座本体ではなく、止水栓や元栓、さらには給水のためのパイプやホースから水漏れが生じる場合があります。この場合は、各接合部のナットのゆるみが原因になっている他、接合部に使われているゴム製パッキンの劣化・変形が原因になっていると考えられます。
ボルトやナットを締め直す
各接合部にはさまざまな形状・サイズのボルトやナットが使用されているため、適合するレンチを使って締め直し、締め増しを行うことで水漏れを直せます。ボルトやナットのゆるみが水漏れの理由ですが、必要以上に強い力で締め付けないように注意してください。特に、温水洗浄便座との接合部分はプラスチックパーツが使われていることもあるため、破損させてしまう危険があります。
パッキンを交換する
パイプ同士をつなぐ部分では、ゴム製のパッキンが使用されていることが多くあります。このパッキンが経年によって劣化し、硬くなって変形してしまうと、水漏れが起こりやすくなります。新しい交換用のゴム製パッキンと取り換えることで修理が可能です。さまざまなサイズのパッキンがありますが、多くがホームセンターなどで購入できます。サイズや形状を確認して適合するパーツを用意して交換すると、水漏れは解消できます。
給水ホースからの水漏れの対処方法
ゴム製パッキンと同様に、給水用のホース自体が劣化したり亀裂が入ったりすることで破損し、水漏れを起こすことがあります。その際は給水ホースの交換をします。
給水ホースを交換する
給水ホースもホームセンターなどで入手ができますが、適合する交換用ホースが見つからない場合は、メーカーのオフィシャルサイトなどから購入できる場合があります。お使いの温水洗浄便座の型番を確認して、適合するホースが購入できるかを確認してみましょう。
ご自分で給水ホースを交換する場合は、止水栓をしっかりと閉め、電験コードを抜いてから作業を行います。ホースを交換する際に、接合部のゴム製パッキンも併せて交換しておくと、より良いでしょう。
ノズルからの水漏れの対処方法
洗浄ノズル部分からも水漏れが発生する場合があり、その際はノズルの清掃や交換で対処します。
ノズルを掃除する
洗浄ノズルや内部のバルブユニットと呼ばれる部分は、水などが蓄積して水漏れが起こりやすくなります。洗浄ノズルを取り外す、もしくは引き出して、柔らかいブラシなどを使って水アカを除去してください。
ノズルを交換する
洗浄ノズルの清掃で水漏れが直らない場合はノズル部分を交換する必要があります。
基本的にはノズル交換はメーカーでの対応となります。保証期間内であれば無料で交換してもらえるケースもあるため、まずは保証書内容を確認してみましょう。
給水フィルターからの水漏れの対処方法
止水栓からの給水の際に、ゴミや不純物が混入しないように、温水洗浄便座は給水フィルターが搭載されています。この部分にゴミや水アカが蓄積して水漏れが起こることがあります。
給水フィルターを掃除する
給水フィルターは分解清掃が可能なため、ご自分で取り外して洗浄することで水漏れの症状を解消できます。目づまりによって上手く水が流れないことが原因のため、定期的に使い古しの歯ブラシなどを使って擦り、水洗いをしましょう。
給水フィルターを交換する
目づまりが激しかったり、フィルターが使用できない状態になっていたりする際は交換が必要です。購入時に予備のフィルターが付属されていることもありますが、ない場合は、新しいフィルターをメーカーの公式Webサイトから取り寄せられるか確認しましょう。
リモコン付近からの水漏れの対処方
ノズルや給水フィルターのように水が通る箇所ではなく、温水洗浄便座の操作パネルやリモコン付近から水漏れが生じている場合は、本体内部のパーツが故障していると考えられます。電気基盤が水に濡れると非常に危険のため、電源コードを抜いてから、メーカーに修理を依頼してください。
先述のとおり、温水洗浄便座を備えているトイレやタンクレストイレの場合は、基本的にメーカーでしか修理対応ができない可能性が高いです。
温水洗浄便座の水漏れの修理を依頼する
修理を依頼する場合のポイント
水漏れが起こっている箇所や原因によっては、DIYでの修理も可能ですが、作業に自信がない場合や適合するパーツが分からないといった際は、修理を依頼することをおすすめします。なおウォシュレット注)等温水洗浄便座の本体内部の故障に関しては、メーカーでなければ対応できないケースがあります。本体内部の故障と考えられる場合は、各メーカーにお問い合わせください。
ご自分で対処するのが難しい場合
ご自分で対処するか、修理を依頼するか判断に迷う時は、できるだけ修理を依頼するのが無難といえます。たとえ簡単な作業であったとしても、不注意から他の部分を破損させてしまったり、合わない工具を使ってボルトやナットを変形させてしまったりする可能性があるため、自信がない場合は自己判断で作業するのは避けた方が良いでしょう。
必要な部品が手に入らない場合
メーカーごとにさまざまなモデルを販売しているため、お使いの製品に適合するパーツが見つけられない場合があります。また、古いモデルの場合はパーツの生産が終了してしまっていて入手できない場合もあるでしょう。適合しない部品で無理に修理して、余計に被害が拡大することも十分に考えられるため、交換用パーツの入手が難しい時も修理を依頼するのがよいでしょう。
ご自分で対処しても水漏れが解消されない場合
せっかく交換用のパーツを用意して、DIYで修理しても水漏れの症状が改善されない場合もあります。例えば水漏れの原因が1つではなく、複数の理由から発生している場合もあり得ます。ご自分で修理しても直せない場合は修理を依頼しましょう。
部品の交換・修理を依頼する際には、水漏れの症状やお使いのトイレのメーカー・種類などの詳細な情報を伝えておくとスムーズに修理作業が進みます。取扱説明書やトイレ本体に刻印されている型番などで確認可能です。
Webでご依頼される場合は、水漏れが起こっている場所やトイレの外観がわかる写真を添付したり、型番やトイレの使用年数なども記載するとよいでしょう。
修理を依頼する場合の作業時間の目安
修理にかかる時間に関しては症状や作業内容によって異なりますが、ボールタップなどの部品交換であれば1時間程度の作業時間で完了するケースが多いです。
東京ガスでは、トイレをはじめとした水回りのトラブルに最短で当日の訪問日時から選ぶことができます。お困りの際はぜひ検討ください。
修理を依頼する場合の料金の目安
最後に、ウォシュレット注)など温水洗浄便座の水漏れの修理を依頼した際の東京ガスの料金を紹介します。
- 各種パッキンの交換 / 9,900円(税込)
- タンク内部の部品交換修理 / 9,900円(税込)+部品費
- 便器周りの部品やタンク脱着を伴う部品の交換 / 16,500円(税込)+部品費
注)2024年6月1日現在の情報です。
部品や本体の交換を行った場合は、上記に加えて部品費・本体費が必要です。便器や温水洗浄便座などは製品グレード、機能によって価格が大きく異なります。
まとめ
ウォシュレット注)など温水洗浄便座は、電子部品が使われ複雑な構造をしています。そのため定期的なメンテナンスや消耗パーツの交換が必要で、水漏れが発生した際は各パーツの交換や修理を行います。おおよそ7~10年で交換寿命を迎えるため、不具合が連続して起こるようであれば交換も検討してみてください。
注)「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です。