混合栓・シングルレバーの交換・修理方法は?  自分で交換する方法やプロに頼むべき場合を解説

混合栓・シングルレバーの交換・修理方法は? 自分で交換する方法やプロに頼むべき場合を解説

混合栓やシングルレバーの交換・修理方法が分からず困っていませんか。混合栓は、手順さえ理解すれば、ご自分で交換できる場合があります。 本記事では、ご自分で混合栓を交換する具体的な手順をタイプ別に紹介し、プロに頼むべきケースも併せて解説します。

最終更新日:2025年03月21日公開日:2025年01月20日

目 次

この記事でわかること

  • 混合栓・シングルレバーの交換・修理方法がわかる!
  • 混合栓・シングルレバーを自分で交換する方法がわかる!
  • 交換をプロに依頼すべきケースがわかる!

混合栓とは?

混合栓とは、1つの蛇口でお湯と水を混ぜて適温にするための水栓金具です。主にキッチンのシンクや洗面台、浴室に取り付けられています。

混合栓の主な種類は、以下の3つです。

  • シングルレバー混合栓:1つのレバーでお湯と水の量を調整する
  • ツーハンドル混合栓:2つのハンドルでお湯と水の量を調整する
  • サーモスタット混合栓:自動で温度を調整する機能が搭載されている

シングルレバー混合栓は、1つのレバーを上下左右に動かすだけで水温と水量を同時に調整できるため、現在主流で使われています。

ツーハンドル混合栓は、左右のお湯と水のハンドルで水量や温度を調整します。お湯と水どちらかしか出ない単水栓と仕組みは同じです。

サーモスタット混合栓は、設定温度に合わせて自動でお湯や水を出してくれます。ハンドルの温度調整は加減が分かりにくいですが、サーモスタット混合栓なら自動的に温度調整をしてくれるため、家事効率や生活の質の向上につながります。

現在主流で使われている「シングルレバー混合栓」とは?

シングルレバー混合栓は、前述の通り1本のレバーで水の流量と温度を調整できるタイプの混合栓です。利便性が高く操作がシンプルなため、一般家庭やマンションなどで広く使われています。

昔はレバーを下げて使用するタイプもありましたが、2000年のJIS(日本工業規格)にて、レバーを上げて温度調整をするタイプに統一されました。

シングルレバー水栓は、ハンドルの位置と内部の止水カートリッジが連動してお湯と水の量をコントロールしています。

お湯の位置にハンドルを動かせば、止水カートリッジのお湯側の流入口が開いてお湯が出ます。水を出したい場合は、水側の流入口が開く仕組みです。お湯と水の中間位置にハンドルを持ってくると、両方の流入口が開いて適温の水かお湯が出てきます。

混合栓のタイプ

混合栓のタイプは、以下の4つに分類されます。

  • 壁付タイプ
  • 台付タイプ
  • デッキタイプ
  • コンビネーションタイプ

混合栓を交換する際は、基本的に今設置している混合栓と同じタイプのものを設置します。タイプごとで交換方法が異なるため、以下でご家庭の混合栓がどのタイプに当てはまるか確認しましょう。

壁付タイプ

混合栓 壁付タイプ

壁付タイプの混合栓は、文字通り壁から蛇口が出ているタイプです。主に浴室やキッチンで使用され、壁の内部の2つの配管に蛇口を接続してお湯や水を出します。

2つの接続部分をバランス良く取り付けなければならないため、交換作業に手間がかかる可能性があります。

台付タイプ

混合栓 台付タイプ

台付タイプは、水栓と台が一体化している混合栓です。1つだけの取り付け穴に設置するワンホールタイプもあれば、2つの取り付け穴に設置して使うツーホールタイプがあります。

ツーホールタイプの取り付け穴の間は、メーカー問わず203mmで統一されています。なお穴のサイズはどちらも直径33~39mmです。

ワンホールタイプは、取り付け穴と新しい蛇口のサイズが合えば、比較的交換しやすいですが、ツーホールタイプは作業がやや複雑なため、プロにお任せするのがおすすめです。

デッキタイプ

蛇口 混合栓 イラスト

デッキタイプは、台付タイプの一種で浴室の縁に取り付けられている混合栓です。

構造が複雑で形も特殊なため、人によっては交換に手こずる場合があります。

コンビネーションタイプ

コンビネーションタイプ 混合栓

コンビネーションタイプは、蛇口とハンドルがそれぞれ異なる取り付け穴から出ているタイプの混合栓です。一般家庭では、主に洗面所に使用されています。

3つの穴がある混合栓をコンビネーションタイプと呼ぶ場合があるため、新しい水栓を用意する際は間違えないよう注意しなければなりません。

【壁付タイプ】自分で混合栓を交換する方法

自分で混合栓を交換する方法

壁付タイプの混合栓の交換は、以下の手順で行います。

  1. 必要な資材・道具を準備する
  2. 古い混合栓を外す
  3. 給水管を清掃する
  4. 新しい混合栓を取り付ける

必要な資材・道具を準備する

モンキーレンチ
シールテープ シール材 歯ブラシ タオル イラスト

まずは、以下の資材と道具を準備します。

  • モンキーレンチ
  • シールテープ
  • シール材
  • 歯ブラシ・洗剤などの清掃道具
  • タオル

古い混合栓を外す

止水栓を締め、古い混合栓を外していきます。

モンキーレンチで古い混合栓のナットを時計回りに緩め、水栓を取り外してください。水栓を取り外したら、残った2つのクランクも反時計回りに回して取り外します。取り外す際に水がこぼれてきたら、タオルで拭き取りましょう。

給水管を清掃する

続いて、歯ブラシで給水管の中を清掃しましょう。給水管内には汚れやゴミ、シールテープなどが付着しています。水漏れの原因になるため、こすって除去しましょう。

新しい混合栓を取り付ける

給水管掃除が終わったら、新しい混合栓を取り付けます。

まずは、新しい混合栓のクランクを取り付け穴に入れ、何回転で固定できるかを確認してください。その後は再度クランクを外し、ネジ山にシールテープを5〜10周ほど時計回りに巻いてください。テープを指でなじませたら、上から漏水防止用にシール材を塗りましょう。

準備ができたら、クランクを取り付け穴に時計回りで回して設置します。シールテープの厚みを考慮して、最初に確認した回転数より1回分少ない回数で回しましょう。クランクは、正面から見た際にへの字になるように取り付けます。(左の方が右より高い位置になります。)

逆回転させると水漏れが発生する可能性があるため、シールテープを巻くところからやり直しです。

最後に水栓本体を取り付け、高さを水平にしたら交換完了です。

【台付タイプ】自分で混合栓を交換する方法

台付タイプの混合栓の交換方法は、以下の通りです。

  1. 必要な資材・道具を準備する
  2. 古い混合栓を外す
  3. 給水管を清掃する
  4. 新しい混合栓を取り付ける

必要な資材・道具を準備する

必要な資材・道具を準備する

まずは、以下の資材と道具を準備します。

  • モンキーレンチ
  • 立水栓取付レンチ
  • ドライバー(マイナス・プラスどちらも)
  • 六角レンチ
  • タオル
  • 歯ブラシ・洗剤などの清掃道具

古い混合栓を外す

止水栓を閉め、古い混合栓を外します。外す際は水が漏れてくる可能性があるため、下にタオルを敷きましょう。

次に六角レンチで水栓下の固定金具を外し、上から古い混合栓を抜き取ってください。

給水管を清掃する

給水管内に残っている汚れやゴミを、歯ブラシで除去しましょう。汚れを除去したら、古い混合栓の止水栓側にある逆止弁を取り外します。

新しい混合栓を取り付ける

新しい混合栓のホースを取り付け穴に1本ずつ通し、水栓を台とドライバーもしくは六角レンチで固定します。

固定したら水栓下に潜り、新しい逆止弁とパッキンを取り付けてください。逆止弁と新しい混合栓の給水ホースをつなげたら、L字型締め付け工具でナットを固定します。

止水栓を開いて問題なければ、交換完了です。

【コンビネーションタイプ】自分で混合栓を交換する方法

コンビネーションの混合栓の交換方法は、以下の通りです。

  1. 必要な資材・道具を準備する
  2. 古い混合栓・レバーを外す
  3. 給水管を清掃する
  4. 新しい混合栓・レバーを取り付ける

必要な資材・道具を準備する

必要な資材・道具を準備する

まずは、以下の必要な資材と道具を用意しましょう。

  • モンキーレンチ
  • 立水栓取付レンチ
  • ドライバー(マイナス・プラスどちらも)
  • 六角レンチ
  • タオル
  • 歯ブラシ・洗剤などの清掃道具

古い混合栓・レバーを外す

止水栓を閉め、古い混合栓とレバーを外していきます。

タオルを床に敷いたら、水栓下のナットをモンキーレンチで緩め、L字型締め付け工具で固定金具を外してください。止水栓に古い水栓の部品がある場合は、一緒に外しましょう。

固定金具が外れたら、上から古い混合栓とレバーを引き抜きます。

給水管を清掃する

古い混合栓が入っていた取り付け穴(給水管)を、歯ブラシでこすってキレイにしましょう。ゴミや汚れがたまっていると、スムーズに交換できない場合があります。

新しい混合栓・レバーを取り付ける

給水管掃除が完了したら、新しい混合栓とレバーを上から取り付け穴に差し込み、下から固定してください。

その後は、モンキーレンチで止水栓に新しい水栓の逆止弁を設置します。下からの固定と逆止弁の設置の次は、新しい混合栓のホースを接続します。多くの場合、右が水の接続部分で、左がお湯の接続部分です。

最後に止水栓を開け、問題なければ完了です。

自分でシングルレバー混合栓を交換する際の注意点

シングルレバー混合栓を交換する際の注意点は、以下の4つです。

  • シングルレバー混合栓から水漏れがある場合はパッキン交換で対応する
  • 新しい混合栓と取り付け穴の大きさが合うか確認する
  • 作業場所付近に障害物がないか確認する
  • 古い混合栓を無理やり外さない

シングルレバー混合栓から水漏れがある場合はパッキン交換で対応する

シングルレバー混合栓の根本や本体の接続部分から水が漏れている場合は、内部のパッキンの劣化が原因となっている可能性があります。パッキンとは、水栓を構成している部品同士のつなぎ目の隙間を埋めているゴム製の部品のことです。パッキンが劣化していると隙間を十分に埋められなくなり、つなぎ目から水が漏れる可能性があります。

混合栓からの水漏れで水栓を交換する場合は、まず以下の手順でパッキンを交換してみましょう。

  1. 止水栓を閉める
  2. ドライバーでネジを回し、レバーを外す
  3. カートリッジの保護カバー(レバーを外した際に出てきた出っ張り)を外す
  4. 表面の円状のパッキンを新しいものに交換する
  5. 外した部品を元に戻し、止水栓を開けて水漏れが改善されたか確認する

パッキン交換で水漏れが直らなければ、カートリッジに問題がある可能性があります。カートリッジはレバーを外した際に見えてきます。一度交換してみましょう。

蛇口の水漏れの原因や対処法については下記の記事もご参考ください。

蛇口の水漏れ

2025年03月21日

蛇口の水漏れを自分で修理する方法とは?原因や対処方法をご紹介

蛇口でよくあるトラブルの一つとして挙げられるのが、水漏れです。蛇口をしっかりと閉めたにもかかわらず、蛇口のさまざまな部分から水漏れが止まらないトラブルを経験した方も多いのではないでしょうか。 本記事では、蛇口の水漏れの原因やご自身で対処する方法を詳しく解説します。ご自身で対処する際の注意点や修理が必要なパターンもご紹介するので、水漏れでお困りの方は併せてご覧ください。

新しい混合栓と取り付け穴の大きさが合うか確認する

新しい混合栓と取り付け穴の大きさが合うか確認しましょう。取り付け穴が合わないと、新しく購入した水栓が取り付けられないためです。

シングルレバー混合栓の取り付け穴のサイズは、国内メーカーであれば通常33~39mmと決まっています。ただし、海外メーカーの水栓と交換する場合は、取り付け穴が33~39mmに該当しない可能性があります。

買った水栓が無駄にならないよう、取り付け穴のサイズを測っておきましょう。

作業場所付近に障害物がないか確認する

作業を始める前に、シンク下や作業場所付近に障害物がないか確認しましょう。

壁付タイプの場合、台や水切りなどが設置場所付近にあると新しい混合栓を取り付けるためのパイプが回せず、取り付けられない可能性があります。

まずは、古い混合栓と新しい混合栓のパイプの長さを比べてみてください。新しいものが短過ぎたり長過ぎたりする場合は、取り付けるための偏心管アダプターが別途必要です。交換がスムーズにできるよう、障害物がないか確認しておきましょう。

古い混合栓を無理やり外さない

古い混合栓が固く取り付けられている場合、無理に外そうとすると配管にダメージが加わって破損する恐れがあります。マンションの場合は、下の階の天井に水が行き渡る階下漏水につながるリスクもあります。

古い混合栓が外せない場合は、無理をせず水道の修理業者に確認するのがおすすめです。

混合栓の交換をプロに依頼するべき場合

混合栓は手順さえ理解すればご自分で交換可能ですが、給水管の工事や電気工事が伴う場合はプロに依頼する必要があります。資格がなければ交換できないケースもあるため、以下でしっかり確認しておきましょう。

給水管の工事を伴う場合

混合栓の交換で給水管の工事を伴う場合は、プロに依頼しましょう。

混合栓そのものやパッキンの交換は、資格がなくても実施できます。しかし、交換の原因が水漏れであり、水栓やパッキンの交換をしても改善されない場合は、給水管に問題がある可能性があります。給水管工事は、以下の資格を持っている人しか実施できません。

  • 給水装置工事主任技術者
  • 下水道排水設備工事責任技術者
  • 管工事施工管理技士

無資格の業者が修理を行うと、罰金や罰則を科せられたり、適切な工事が実施されず不具合が発生したりするリスクもあります。給水管の工事が必要になりそうな場合は、必ず信頼できる修理業者に相談してください。

電気工事を伴う場合

電気工事を伴う混合栓の交換は、第2種電気工事士以上の資格を保有している人しか実施できません。

混合栓の中には電気を使用するタイプもあります。例えば、温度調整ができるタイプやセンサー式の混合栓です。資格がない人が電気工事行うと、火事や感電のリスクを増加させるだけでなく、法律違反として罰せられます。

注) 電気に関わる交換作業は、必ず修理業者に依頼してください。

参考:e-Gov法令検索.「電気工事士法」.“第三条, 第十四条”(参照2024-10-28)

自分でのシングルレバー混合栓の交換が難しい場合は修理を依頼する

ご自分でシングルレバー混合栓が交換できない際は、手探りで作業を続けずに修理を依頼しましょう。

シングルレバー混合の作りや配管の構造は複雑なため、人によっては交換が難しい場合があります。無理に作業すると、配管を傷付けたり新たな水漏れが発生したりと、別のトラブルが発生するリスクがあります。交換作業に不安がある場合は、修理を依頼しましょう。

修理を依頼する場合のポイント

シングルレバー混合栓の修理を依頼する際のポイントを2つ紹介します。

水道局指定工事店に修理を依頼する

混合水栓の交換や修理は、水道局指定工事店に依頼することをおすすめします。

水道局指定工事店とは、水道局が設けた一定の基準をクリアしている工事店です。簡単な部品や水栓の交換は非指定工事店でも可能ですが、給水管を伴う水栓交換や水栓を増やす工事は、水道局指定工事店のみが実施できます。

初めから指定工事店に依頼しておけば、混合栓の交換で給水管の工事が必要となった際も別の業者をまた探す手間がかかりません。一定の基準をクリアしているだけに、非指定工事店より修理の質が高い可能性があります。修理依頼は、できるだけ水道局指定工事店に依頼しましょう。

東京ガスは、一定の基準をクリアしている水道局指定工事店です。混合栓の交換でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

賃貸住宅の場合は大家さんや管理会社へ事前に相談する

借家や賃貸アパート・マンションの場合、蛇口は元から備え付けられている住宅設備に該当します。住宅設備はその物件の所有者、つまり大家さんやオーナーの所有物に当たるため、貸借人が勝手に既存の蛇口を取り外したり、新しいものに交換したりすることはできません。
無許可で交換作業を行うと、後日所有者との間でトラブルが発生する恐れがあるので、必ず事前に蛇口を交換したい旨を伝えておきましょう。

修理を依頼する場合の作業時間の目安

シングルレバー混合栓の修理にかかる時間は、トラブルの症状によって異なるものの、基本的には1時間ほどで作業が完了します。壁付水栓やツーホール水栓、コンビネーション水栓は、1時間以上かかる場合があります。

東京ガスでは、キッチンや洗面所、浴室などの蛇口や水栓の故障、水漏れなどのトラブルに最短当日訪問で対応可能です。お困りの際はぜひご検討ください。

修理を依頼する場合の料金の目安

一般的に業者に蛇口の修理を依頼した場合は、出張費・作業費・部品代などの費用がかります。

出張費や作業費の規定は業者によって異なる他、部品や本体の交換を行った場合は、部品費・本体費が必要です。部品費や本体費は製品のグレード、機能によって異なります。

東京ガスにおける水栓・蛇口の修理や交換の料金は、以下のページからご覧いただけます。

東京ガスに修理を依頼する

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東京ガスの修理サービス
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シングルレバー混合栓の交換方法はタイプによって異なる

シングルレバー混合栓の交換方法は、設置されているタイプによって手順が異なります。水漏れが原因の交換であれば、まずは中のパッキンを交換してみて症状が改善されるか試してみてください。またご自分で交換できそうにない場合は、無理やり作業を続けず専門業者に依頼しましょう。

東京ガスの水まわり修理サービスは、最短当日の訪問が可能です。ご予定に合わせて日時も指定できます。また修理基本料、技術料、部品代など全て含めた総額をご提示いたしますので、料金体系が明朗です。

「混合栓の水栓を交換したい」「DIYで交換できそうにない」とお悩みの方は、ぜひ東京ガスの水まわり修理サービスをご活用ください。

  • この記事の監修者

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

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