トイレのつまりをなおす

ラバーカップ(すっぽん)を使ってトイレのつまりを直す方法、正しい使い方を徹底解説!

ラバーカップ(すっぽん)は、トイレつまりの解消に最も多く使われる道具です。学校や公共施設などのトイレの掃除用具置き場で見たことがある方も多いでしょう。一方で、実際には使用した経験がなく、正しい使い方を知らないケースも少なくありません。 本記事では、トイレつまりの定番道具であるラバーカップの仕組みや種類、使い方を解説すると同時に、ラバーカップの使用を避けた方がいいケースの見分け方も詳しく説明します。

最終更新日:2024年05月14日公開日:2024年04月09日

目 次

ラバーカップ(すっぽん)の種類

ラバーカップ

実はラバーカップには和式用と洋式用の2つの種類があり、それぞれ形状が異なります。ラバーカップを購入する際は種類をチェックし、自宅のトイレに合ったものを選んでください。画像の左が和式用で、右側が洋式用になりますので購入の際は参考にしてください。

和式用は先端部分(ゴム部分)がお椀型になっています。一方で洋式用は、口径が小さく深い洋式トイレの排水口に合わせて、ゴム部分に突起がある特殊な形状をしています。
正しい種類を使用することで、排水口との密着度合いが増して、より効果的に異物の除去作業が可能です。作業負担も大幅に違ってくるので、自宅のトイレにあった種類をしっかりと確認してください。

また、ラバーカップに似た機能をもつ、真空式パイプクリーナーという道具もあります。真空式パイプクリーナーはラバーカップの柄にあたる部分に、ポンプがついている形状で、ラバーカップよりも吸引力が強いことが特長です。トイレのつまりにもよく使用されます。

ラバーカップ(すっぽん)を使わない方がよい場合

ラバーカップは便利ですが、すべてのトイレつまりに対して万能な道具というわけではありません。
つまりの原因が排泄物やトイレットペーパーなどの水溶性のものではない場合は、ラバーカップの使用を避けてください。
理由としては2つあります。水に溶けない固形物などをラバーカップの吸引力のみで排水口付近まで移動させようとしてしまうと、便器や配管を傷つける可能性があるからです。またラバーカップの力の入れ加減を間違えた場合、つまりの原因のものを排水管の奥へ押し込んでしまう危険性もあります。

トイレに混入する可能性が高い固形物は、おもちゃやお菓子の包み紙などです。子どもがいたずらしてトイレに流してしまうことが多々あります。また、ティッシュペーパーや吸水性ポリマーが使用されている生理用品や紙おむつなどを誤って流した場合も、ラバーカップの使用を避けてください。排水管の内部に押し込まれると、つなぎ目部分の変形や管の亀裂を引き起こします。それにより重大な水トラブルが発生してしまうなど、二次被害につながりかねません。すぐに修理を依頼しましょう。

トイレに固形物がつまってしまった場合の修理作業例は、こちら

ラバーカップ(すっぽん)を使ってトイレのつまりを直す手順

ラバーカップの使い方

本章ではラバーカップ(すっぽん)によるトイレつまりの解消法を解説していきます。

1. 止水栓を閉める

止水栓

まずは、トイレタンクに水を供給している止水栓を閉めてください。
止水栓を閉める理由は2つあります。1つ目の理由は排水口がつまって水が流れない状態で、タンク内に供給された水が便器に排出されてしまうと汚水が溢れ出てしまうためです。2つ目は作業中に誤ってレバーに触れてしまうこともあるためです。確実に止水栓は閉めるようにしましょう。

次に止水栓の位置・閉め方について説明します。
止水栓の位置はトイレの壁や床にあることが多いです。マイナスドライバーが必要なものとハンドル状のものがあり、いずれも時計回り方向に回すことで閉められます。温水洗浄便座付きのトイレの場合は、トイレタンク用と温水洗浄便座用の止水栓が別々に設置されている場合もあるので、注意して確認します。判断がつかない場合はどちらも閉めていただいて構いません。もしトイレの止水栓の位置が分からない場合は、水道の元栓を閉めて作業すればOKです。

2. 便器内の水位を確認する

便器から水が溢れそうな場合は水を抜く

作業する前にすでに便器から汚水が溢れそうな場合は、水を汲み出す作業が必要です。
溢れそうなほど便器内の水位が高いと、ラバーカップを入れる際に確実に溢れ出てしまいます。また作業中に逆流した汚水がこぼれたり、跳ね返ったりする可能性もあります。

汲み出す目安は、最低でも便器のフチから10センチほどに水位が下がるまでです。完全に組み出す必要はありません。ラバーカップは水の中で便器とゴム部分を密着させて、水圧で排水口内につまった異物を吸い出す仕組みのため、ある程度の水位がないと効果が得られないためです。

便器に水が少ない場合は水を入れる

便器内に水がほとんど入っていない場合は、水をいれます。
ラバーカップは水中で真空状態を作り出して使うため、便器とゴム部分がしっかりと密着するように、ラバーカップが浸る程度の水位が必要です。

3. トイレ内が汚れないようにビニールや新聞紙で保護する

ラバーカップを使った作業では、排水口のつまりが解消できるまで何度も押し込んだり、勢いよく引っ張ったりするため、汚水が便器からはねてトイレ内に飛び散る恐れがあります。衛生的にもよくないため、大きめのビニール袋をカットして便器全体を覆ってください。壁や壁面にも汚水が飛び散る可能性があるため、ビニールや新聞紙で養生しておくのがおすすめです。

4. ラバーカップでつまりを解消する

ラバーカップで作業をしていきます。以下の手順を参考にしてみてください。

ラバーカップの使い方

作業手順

  1. ラバーカップと排水口を並行に密着させる
  2. ゆっくり押し込んで、カップ内の空気を抜くようにへこませる
  3. しっかりと密着している手応えを感じながら勢いよく引き抜く
  4. つまりが解消されて水が排水されるまで繰り返す

最初は要領が分からずにゆっくりと押し引きする人が多いのですが、上手く作業するにはある程度の勢いが必要です。コツは押すのではなく吸い込むイメージで、引き上げる際に勢いを付けましょう。水がカップに吸い寄せられて、排水口内につまった異物を動かします。

何度か繰り返しているとつまりが抜けた感覚があり、ゴポゴポと音をたてながら汚水が流れていきます。

5. バケツの水を流して、つまりが解消したかを確認する。

バケツの水を流して、つまりが解消したかを確認しましょう。この確認の際にはレバーを使用して流さないでください。
確認作業の際の注意点として、最初は様子を見るために少量ずつ水を流すようにしましょう。つまりが抜けきっていない場合、一気に大量の水を流してしまうと水が逆流してきてしまいます。

つまりが解消できている場合は、きちんと排水されて、便器内の水位も通常通りになります。いつもと比べて流れが悪いと感じるようであれば、もう一度ラバーカップを使って同じ作業をしてみてください。

6. 止水栓を開けてレバーで水を流す

バケツの水がきちんと排水されたのを確認できれば、タンク内の水も流してみましょう。止水栓(もしくは水道の元栓)を開けて、普段通りにレバーで水を流してみましょう。

なお、使い終わったラバーカップはきれいに洗浄して、天日干しで乾燥させておきましょう。汚水がついたまま放置しておくと、雑菌が繁殖して異臭を放つようになるので廃棄しなければならなくなってしまいます。きちんと保管しておけば、次回も問題なく使用できます。

ラバーカップ(すっぽん)でつまりが解消しない場合の原因

ラバーカップを使っても上手くつまりが解消できない場合、便器に適合した種類を選んでいない可能性や、使い方の認識を誤っている可能性があります。

ラバーカップ(すっぽん)の種類を間違えている

ラバーカップは便器の形状に合った種類を選ぶ必要があり、誤ったタイプを使った場合は十分な効果が得られません。大きく分けて洋式用と和式用があり、ゴム部分に突起がある形状が洋式用です。現在の住宅用トイレは洋式が主流のため、ホームセンターなどでも洋式用が多く流通しています。

また排水口が四角い形をしている特殊な便器用に、パッコンバーという商品が販売されています。丸と四角では密着度合いが大きく異なるため、四角型の排水口タイプの便器を利用している場合はそちらを選びましょう。

他にも、排水口の口径が大きい便器と小さい便器があるため、最初からサイズが異なるカップが付属したラバーカップもあります。洋式と和式を兼務できるように突起部分の出し入れができる製品もあるため、用途に合わせて探してみてください。

ラバーカップ(すっぽん)の使い方を間違えている

ラバーカップの使い方でよくある間違いが、押し込む際に強く力を入れるやり方です。ラバーカップの構造は、真空状態を生み出すことに特化していて、排水管内部の異物を吸い上げる力が大きく発生するようになっています。押し込む際は、ゴム部分が十分にへこんで真空状態が作られるように意識して、引っ張る際に十分な勢いをつけるイメージで作業してください。

押し込む際に強い力を加えると、配管内部の異物をさらに奥へと押し込んでしまうため逆効果です。また過度な荷重が便器にかかり、大きな負担になりかねません。

ラバーカップ(すっぽん)を正しく使ってもつまりが解消しない時は修理を依頼しよう

非水溶性の固形物が原因でトイレつまりが起こっている場合は、ラバーカップの使い方を少しでも間違えると症状を拡大させてしまう可能性があります。また、大量のティッシュペーパーやトイレ掃除シートなどを流してしまった場合も、ラバーカップの吸い出す力では対応しきれないことがあります。

自力で直すのが難しい場合は、無理をせずに修理を依頼ください。東京ガスではトイレをはじめとした水まわりの修理サービスを24時間受け付けています。最短で当日中の訪問も可能なためぜひお問い合わせください。

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東京ガスの修理サービス
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まとめ

ラバーカップの使い方を詳しく紹介しました。ラバーカップは手軽に購入できる道具ですが、用途ごとに種類があり、正しいタイプを選ばなければ十分な効果が得られない上、誤った使い方ではトイレつまりの症状をさらに悪化させてしまう可能性があります。自分では直せない場合は無理をせずに修理をご依頼ください。

詰まりの原因に合わせて、ラバーカップを使用すべきかどうか判断することも重要です。トイレットペーパーや掃除用シートなど水溶性のものであれば、万が一ラバーカップの使い方を間違えたとしても症状が拡大する可能性は低いです。中には詰まっているものの量が多いときなど、ラバーカップでは対応しきれないケースもあります。ティッシュペーパーや紙おむつなど、本来トイレに流してはいけないものがつまった場合や、つまりの原因に心当たりがないときは、自分で対処せずに修理を依頼しましょう。

  • この記事の監修者

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。