キッチンリフォームの失敗例
キッチンリフォームの失敗はコストやスペース、使い勝手など様々な要因によって起こります。
費用が高額になりやすいキッチンリフォームだけに、できれば失敗は避けたいところです。
具体的な失敗例を13パターンに分けて紹介していきます。
コストを抑えすぎて理想のキッチンにならなかった
キッチンリフォームにおいて最も起こりやすい失敗が、コストを抑えすぎて理想のキッチンにならなかったケースです。
どうしても費用がかさんでしまうキッチンリフォームは、予算を気にするあまり、欲しかった機能を入れずに結果使いにくさを感じてしまったり、予算を削りすぎてしまい見た目が安っぽくて不満を覚えたりということがよく起こります。
また、キッチンだけにこだわってしまい、空間のリフォームを疎かにしてしまうことで、キッチンとの対比によって汚れが目立ってしまい、余計な費用がかかってしまったり、調和が取れず違和感のある空間に仕上がってしまったりする場合もあります。
コストを抑えることももちろん大切ですが、譲れない部分や妥協する部分をよく考えてコストとのバランスをとるのがキッチンリフォームを成功させる上で大切です。
リフォーム後のキッチンが部屋と調和しない
キッチンや部屋の色だけに注目してリフォームを進めてしまうと、現在の家具、家電の色とのバランスが悪くなったり、部屋に圧迫感を覚えてしまう可能性があります。
キッチンの色、クロス・壁の色、家具・家電の色それぞれを別々な視点で考えるのではなく実際に組み合わせて考えるようにしましょう。
一般的に白系で統一することで清潔感があり、明るいイメージのキッチンに仕上がります。
また、ブラウン・木目系も人気の色で、落ち着きがあって高級感があるキッチンに見せることができます。
色選びに迷った際には参考にしてみてください。
失敗しない方法としてパースを活用することもおすすめです。
実際にキッチンと部屋、家具・家電のバランスを見ることができるため、イメージがしやすく、「思っていたのと違う」という失敗を避けることができます。
家事動線が悪くなってしまった
冷蔵庫の設置場所が悪くて料理がしにくくなったという話もよく聞きます。
このような配置による失敗は、キッチンリフォームの失敗でもよくある例です。
配置による失敗を避けるために考えたいのがワークトライアングルです。
ワークトライアングルとは、シンク、コンロ、冷蔵庫を線で結ぶ三角形のことです。
具体的には、この三角形の辺の合計が510cmになるように配置し、なるべく正三角形にすることで理想的な家事動線にすることができると言われています。
これからリフォームをしようと検討している方は、ワークトライアングルを意識してみてください。
シンクを大きくしたら作業スペースが狭くなった
キッチンスペースの割り振りも、失敗が潜んでいる部分です。
一般的にキッチンはシンク、コンロ、作業スペースによって成り立っているため、どこかを大きくすることでそれ以外のスペースが狭くなります。
コンロの寸法は60cm、75cmの2種類が基本的な寸法と決まっており、変更することはあまりないでしょう。
そのため、シンクを大きくすることで、一番影響を受けやすいのが作業スペースです。
大きなシンクは、洗い物の量が多くなっても問題なく洗えるほか、鍋など大きな調理器具を洗うときにも便利です。
しかし、その分で作業スペースを圧迫してしまいます。
実際の洗い物の量と普段使用している作業スペースの広さを把握し、現状の作業スペースを確保した状態でシンクを広げるようにしましょう。
キッチンの高さが合わない
キッチンの高さが低い場合には長時間使用することで腰などに負荷がかかり、長時間の調理が難しくなってしまいます。
反対にキッチンの高さが高い場合には、何か物を切る際など力が入りにくくなるため、調理をする上で作業のしにくさを感じることがあります。
キッチンの適切な高さは下記の計算式に当てはめて算出できます。
キッチンの高さ=身長÷2+5 |
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こちらは目安であり、実際には肘の高さや腰の位置などによっても適切な高さは変わります。
キッチンの高さを決める際には、実際にショールームに足を運び実物を見るのが良いでしょう。
また、その際に自宅で使用している内履きを履いた状態で高さを試してみるとより具体的なイメージが沸きます。
外履きを履いた状態で見た結果、思ったよりも高かったという失敗談もあります。
背面収納の使い勝手が悪い
主にアイランドキッチンや対面キッチンなどの壁面収納がないキッチンを選んだ際に起こりがちな失敗です。
収納スペースが少ないアイランドキッチンや対面キッチンにおいて、背面収納は貴重な収納スペースと言えます。
実際に活用されている方も多い背面収納ですが、収納の奥行きがあまり広くないことや、キッチン側から回って来なければ収納しているものの取り出しができないというデメリットがあります。
収納できるものに制限があり、家事動線のことを考えると使い勝手が良いとは言えず、思っていたよりも使いにくさを感じてしまうことがあります。
収納したいものの量や種類を検討した上で、背面に収納を設置すべきかどうか決めましょう。
2人以上入ると狭く感じる
主にI型キッチンや対面型のキッチンにした場合に起こりやすい失敗です。
親子やご夫婦で一緒に料理をしたい、親が高齢になったため1人では心配など、2人以上でキッチンを使いたい人も多いことでしょう。
2人でキッチンを使う場合、作業中の人の後ろを通ったり、物を取るためにすれ違ったりするため、実際に必要なスペースは確保しましょう。
●どれくらいのスペースを確保すべき?
これくらいあると余裕をもって動線確保ができます |
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また、冷蔵庫を設置する場合、食器棚の奥行きよりも冷蔵庫の奥行きの方が大きく、通路を圧迫することがあります。
奥行の大きいものを基準として120cm程のスペースを確保するようにしましょう。
デッドスペースができてしまった
これはL型キッチンの際に起こりやすい失敗です。
L型キッチンは、コンロとシンクがL型に配置されているため、作業動線が短いのがメリットです。
一方で、L型キッチンはもともと作業スペースが少ない場合も多く、特にL型の角の部分は、奥行きの兼ね合いもありデッドスペースになりがちです。
対策としては、実際に必要な作業スペースをあらかじめ把握した上で、プランニングしてもらうことで避けることができます。
アイランドキッチンにしたら丸見えになってしまった
調理をしながらリビングの家族の様子を確認できるアイランドキッチンは子育て世帯を中心に人気を集めています。
目の前に壁がないため、視界が開けており、周りの様子を確認しやすい反面、対策をしなければキッチンの状態も丸見えなデメリットもあります。
そのため、見せる収納のような工夫をするか、こまめに片付けをして天板上に物を置かないといったキッチンをきれいに保つ必要があります。
掃除や片付けが苦手な方は、アイランドキッチンの導入をする際に、手元を隠す壁をつける、カップボードを設置して収納スペースを広く設けるなどの工夫をしましょう。
天板を人造大理石にしたら汚れが目立つ
人造大理石の天板は見た目に高級感があり、おしゃれで、デザイン性も高くてキッチンに取り入れたい人も多いでしょう。
そんな人造大理石の天板ですが、こまめに掃除をしなければシミになりやすく、耐熱性や耐久性があまり高くないというデメリットがあります。
選ぶ材質によって傷がつきやすい、シミになりやすいなどの耐久性や掃除性も大きく異なるため、考慮する必要があります。
リフォーム当初は見た目もきれいで高級感があっても、使い続けることで徐々に劣化してしまい後悔したというケースも聞きます。
天板やシンクの材質は、キッチン掃除の頻度やお手入れ性とのバランスを考えて選ぶようにしましょう。
照明の位置が悪くなり手元が暗くなった
キッチンの失敗で意外と多いのが、照明の位置です。
照明を既存のまま変更しないと、位置がこれまでよりも悪くなり手元が暗くなることがあります。
また、照明を新たに設置する場合にも注意が必要です。
明かりを背中から背負う形で照明を配置してしまうと、手元が暗くなり、調理がしにくいでしょう。
手元に重なるように照明を配置することも、同様の理由から避けた方が良いです。
色に関しても電球色の照明を導入してしまうことで、食材の色味がはっきり見えず、明るさも取れないため好ましくありません。
照明を新しくする場合には、設置する場所、照明の色に注意しましょう。
ゴミ箱の置き場を確保し忘れた
調理をする上で大切なのがゴミ箱の位置です。
ゴミ箱置き場を設計に組み込まずリフォームを進めてしまい、ゴミ箱を置くスペースが確保できないと、リフォーム後にゴミ箱をどこに置くか検討する必要があります。
実際にゴミ箱がない状態での家事動線を考えたにもかかわらず、ゴミ箱を設置することでその動線の邪魔をしてしまうこともあり得ます。
また、結果としてゴミ箱を置くスペースが取れずキッチンから遠いところに設置することになってしまえば、無駄の多い家事動線になります。
設計の段階から必ずゴミ箱の置き場所を組み込むようにしましょう。
今のサイズより大きな冷蔵庫が置けない
現在の冷蔵庫の大きさを基準にしてリフォームを進めた場合に起こりがちな失敗です。
今の冷蔵庫がぴったり納まるようにリフォームを進めてしまうと、今のサイズよりも大きな冷蔵庫が入れられなくなります。
また、搬入搬出のことを考えてスペースを確保しないと、そもそも冷蔵庫の買い替えができなくなる恐れがあります。
キッチンリフォームで盲点になりがちなポイントなので気をつけてください。
キッチンリフォームで失敗しないためのポイント
キッチンリフォームの失敗例を紹介しましたが、失敗しないためにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
キッチンリフォームで失敗しないためのポイントを3点紹介しますので参考にしてみてください。
必要な設備の優先順位を決める
予算を絞る際に最もおすすめの方法です。
「導入しても使わなかった」という後悔をしないためにも、まずは必要な設備の優先順位を決めましょう。
具体的にはまず、キッチンリフォームをすることで何を実現したいのかを明確にします。
その後で実際に必要な設備を「必ず欲しい」、「あったら助かる」、「なくても問題ない」の3軸に分けて書き出し、振り分けを行いましょう。
3軸に分けることで判断がしやすくなります。
また、機能面においてどのような機能が欲しいか定まっていない場合には、カタログに記載されている機能を前述の3軸に当てはめて全て振り分け、実際にショールームに足を運んで確認してみるのも良いでしょう。
図面を準備し現地調査でアドバイスをもらう
実際に図面を準備した状態で現地調査を進めてもらうと、具体的な寸法が見えるので正確性が上がります。
業者による現地調査をしっかりできると、業者との食い違いが生じにくいためよりイメージに近い仕上がりになるでしょう。
また、経験豊富な業者であれば、より使い勝手の良いキッチンにするためのアドバイスや、デザイン面におけるアドバイスをもらえるかもしれません。
このようなアドバイスは多くの経験から生まれるもののため、参考にしながら取り入れていくことで、より満足度の高いキッチンリフォームができます。
ショールームで実物を見る
商品のプラン図と実物では色合いが異なるだけでなく、高さや収納、作業スペースなど様々な点で確認できる内容に大きな差があります。
特にキッチンの高さと作業スペースに関しては使い勝手に大きく関わりますし、色合いについても印刷物と実物とでは大きく異なるため、確認しなかったことで「こんなつもりじゃなかった」という後悔につながります。
手間はかかりますが、一度はショールームに足を運び、実際に納めるものに近い商品を確認するようにしましょう。
キッチンリフォームの失敗例まとめ
キッチンリフォームの失敗例と失敗しないためのポイントについて紹介しました。
キッチンリフォームを失敗する原因は主に打ち合わせ不足やイメージ不足が関連しているものが大半です。
失敗しないためのポイントは、業者との打ち合わせを入念に行い、ショールームやパースを活用してとにかく具体的にイメージを作り込むことです。
一般的にキッチンは一度リフォームを行うと15年〜20年はリフォームをしない場所です。
入念な準備を行い満足度の高いリフォームができるようにぜひご相談ください。